「第14回MMD杯」の版間の差分

*>呉鎮守府第101特別陸戦隊
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「MMD(MikuMikuDance)」はその名(初音ミク)の通りボカロキャラの持ち歌PV用に使用されることを目的に制作されたキャラクターCGモデルの総称であり、それを用いた作品を投稿しあって競う「MMD杯」は、MMDが公開された2008年から半年に一回ほどのペースで開催されてきたニコニコ動画を代表する一大イベントである。当初のニコニコ動画上のMMD文化黎明期においては投稿数も少ない小さな規模のイベントに過ぎなかったが、対象はやがてボカロ以外のアニメ・ゲームキャラにも広がり、MMD技術の進歩と共に動画のクオリティも加速度的に向上するなどして徐々に規模が拡大していったことで、ついには審査員にプロの人間や大企業・官公庁などが参加するなど半ば公式化した一大イベントへと成長した。しかしその陰でその肥大化したコンテンツ特有のきな臭い問題も増加していった。
「MMD(MikuMikuDance)」はその名(初音ミク)の通りボカロキャラの持ち歌PV用に使用されることを目的に制作されたキャラクターCGモデルの総称であり、それを用いた作品を投稿しあって競う「MMD杯」は、MMDが公開された2008年から半年に一回ほどのペースで開催されてきたニコニコ動画を代表する一大イベントである。当初のニコニコ動画上のMMD文化黎明期においては投稿数も少ない小さな規模のイベントに過ぎなかったが、対象はやがてボカロ以外のアニメ・ゲームキャラにも広がり、MMD技術の進歩と共に動画のクオリティも加速度的に向上するなどして徐々に規模が拡大していったことで、ついには審査員にプロの人間や大企業・官公庁などが参加するなど半ば公式化した一大イベントへと成長した。しかしその陰でその肥大化したコンテンツ特有のきな臭い問題も増加していった。


その主たるものは作品に対する「'''工作'''」の問題であった。歴代MMD杯においてのランキングの目安となった集計ポイントの判断基準が「マイリストの登録数」のみに限られており、このマイリスト登録数はニコニコのランキング集計システム上の欠陥により工作ツールを利用した操作が容易であるという問題を抱えていた。そのため次第に「応援したい作品を工作し強引にランキング上位に持ち上げる」という行為が横行するようになり、既に第10回辺りから特にこの問題が顕著になっていたとされている。また、工作された動画は否が応にも批判や中傷の対象となるようになったため、今度は「アンチが蹴落としたい動画をあえて工作して評判を失墜させる」という行為が行われるようにもなり、各ジャンルのアンチと信者の間で絶え間ない工作・逆工作・ネガキャン・誹謗中傷が入り乱れる複雑で深刻なジャンル対立煽り合戦が展開されるようになるなどますます泥沼化していった。
その主たるものは作品に対する「'''工作'''」の問題であった。歴代MMD杯においてのランキングの目安となった集計ポイントの判断基準が「マイリストの登録数」のみに限られており、このマイリスト登録数はニコニコのランキング集計システム上の欠陥により工作ツールを利用した操作が容易であるという問題を抱えていた。そのため次第に「応援したい作品を工作して強引にランキング上位に持ち上げる」という行為が横行するようになり、既に第10回辺りから特にこの問題が顕著になっていたとされている。また、工作された動画は否が応にも批判や中傷の対象となるようになったため、今度は「アンチが蹴落としたい動画をあえて工作して評判を失墜させる」という行為が行われるようにもなり、各ジャンルのアンチと信者の間で絶え間ない工作・逆工作・ネガキャン・誹謗中傷が入り乱れる複雑で深刻なジャンル対立煽り合戦が展開されるようになるなどますます泥沼化していった。


2013年後半期頃からは、ニコニコ動画や各種SNS、アフィリエイトブログ等のネット上においてDMM・[http://www.kadokawagames.co.jp/ 角川ゲームス]のブラウザゲーム「'''艦隊これくしょん~艦これ~'''」(以下:艦これ)の大々的なステルスマーケティングが展開されており、同作品のキャラクターである「艦娘」のMMDモデルも多く作られ艦これMMD作品が投稿されるようになった。しかし「ニコニコ動画」の運営元であるドワンゴ社が角川ゲームスの親会社である「株式会社KADOKAWA」に経営統合の名のもとに買収されてしまったことを背景に、同サイト上における艦これの露骨なステマや宣伝工作が熾烈を極めたことで多くのユーザーの反発を買ってしまう。更にはKADOKAWA主導による動画サイト運営の不手際に起因する各種設定の改悪が度重なったこともあって、2013年11月から2014年11月にかけてのニコニコ動画・生放送・静画の月間総アクセス数が軒並み4割近くも激減<ref>[http://orpheus.2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1420107933/ ニコニコ動画の視聴者数激減wwwwww]</ref>してしまい、このことが皮肉にもMMD自体の大元にしてニコニコ動画を最大のポータルサイトとしていたボーカロイドコンテンツそのものの衰退原因のひとつとなってしまった。
2013年後半期頃からは、ニコニコ動画や各種SNS、アフィリエイトブログ等のネット上においてDMM・[http://www.kadokawagames.co.jp/ 角川ゲームス]のブラウザゲーム「'''艦隊これくしょん~艦これ~'''」(以下:艦これ)の大々的なステルスマーケティングが展開されており、同作品のキャラクターである「艦娘」のMMDモデルも多く作られ艦これMMD作品が投稿されるようになった。しかし「ニコニコ動画」の運営元であるドワンゴ社が角川ゲームスの親会社である「株式会社KADOKAWA」に経営統合の名のもとに買収されてしまったことを背景に、同サイト上における艦これの露骨なステマや宣伝工作が熾烈を極めたことで多くのユーザーの反発を買ってしまい、更にはKADOKAWA主導による動画サイト運営の不手際に起因する各種設定の改悪が度重なったこともあって、2013年11月から2014年11月にかけてのニコニコ動画・生放送・静画の月間総アクセス数が軒並み4割近くも激減<ref>[http://orpheus.2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1420107933/ ニコニコ動画の視聴者数激減wwwwww]</ref>してしまい、このことが皮肉にもMMD自体の大元にしてニコニコ動画を最大のポータルサイトとしていたボーカロイドコンテンツそのものの衰退原因のひとつとなってしまった。


そんな深刻な状況下のもとで艦これMMD作品が初めて本活的に出場を果たすこととなる2014年1~3月開催の「第12回MMD杯」では、それまで抱えてきた数々の問題が一挙に艦これに集約される形でより一層顕著に表面化した。この大会から審査員に艦これの開発元であるKADOKAWA・DMM両社の関係者が多数加わった上、テーマに「女子力(物理)」といった明らかに艦これを対象に狙い撃ちしたようなものが選ばれるなどした結果、ランキング上位層と各種賞のほとんどを艦これMMD作品が独占。掲示板など各所で「これは角川・DMMによる卑劣な出来レースだ」という疑惑や不満が噴出する結果となった。この流れはさらに続く「第13回MMD杯」でも踏襲され、テーマが「海」とまた明白に艦これを対象に狙ったものにされたほか、MMD杯のリアルタイムデータを解析・閲覧できるサイト「Angel-Cup」の外部リンクに艦これ系まとめブログの「艦これまとめ速報~かん速~」が薄い文字で追加されるという[http://i.imgur.com/mgW0O9D.jpg どこかの無能]を髣髴とさせるような所業が大きな問題となり、ついには「'''DMM杯'''」と揶揄されるまでに至った。
そんな深刻な状況下のもとで艦これMMD作品が初めて本活的に出場を果たすこととなる2014年1~3月開催の「第12回MMD杯」では、それまでMMD杯ないしニコニコ動画全体が抱えてきた数々の問題が、一挙に艦これに集約される形でより一層顕著に表面化することとなった。この大会から審査員に艦これの開発元であるKADOKAWA・DMM両社の関係者が多数加わった上、テーマに「女子力(物理)」といった明らかに艦これを対象に狙い撃ちしたようなものが選ばれるなどした結果、ランキング上位層と各種賞のほとんどを艦これMMD作品が独占。掲示板など各所で「これは角川・DMMによる卑劣な出来レースだ」という疑惑や不満が噴出する結果となった。この流れはさらに続く「第13回MMD杯」でも踏襲され、テーマが「海」とまた明白に艦これを対象に狙ったものにされたほか、MMD杯のリアルタイムデータを解析・閲覧できるサイト「Angel-Cup」の外部リンクに艦これ系まとめブログの「艦これまとめ速報~かん速~」が薄い文字で追加されるという[http://i.imgur.com/mgW0O9D.jpg どこかの無能]を髣髴とさせるような所業が大きな問題となり、ついには「'''DMM杯'''」と揶揄されるまでに至った。


この艦これ問題の根底にはMMD杯外の各所でも問題となっていた艦これを含めた各ジャンルの対立煽りの空気があり、その結果杯は「容易に操作可能な数字で決着をつける」という大会の特性に目を付けた信者・アンチ・愉快犯による工作合戦・コメント荒らし等の行為で大荒れの様相と化し、いつしかMMD杯は「誰が優勝しても喜べない」大会となってしまっていた。
この艦これ問題の根底にはMMD杯外の各所でも問題となっていた艦これを含めた各ジャンルの対立煽りの空気があり、その結果杯は「容易に操作可能な数字で決着をつける」という大会の特性に目を付けた信者・アンチ・愉快犯による工作合戦・コメント荒らし等の行為で大荒れの様相と化し、いつしかMMD杯は「誰が優勝しても喜べない」大会となってしまっていた。


またそんな最中幾度となく運営陣にルール見直しを迫る意見が提出されるも運営陣は特にルールを改善せず、問題が山積みの状態で第14回MMD杯は始まった。
またそんな最中幾度となく運営陣にルール見直しを迫る意見が提出されるも運営陣は特にルールを改善せず、問題が山積みのままの状態で第14回MMD杯は始まった。