「炎上弁護士/本文」の版間の差分

>化学に強い弁護士
(清書ニキとの出会いに感謝。とりあえずプロローグの分)
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最近の話でいえば、[[オランダヒルズ森タワー#元SMAPメンバーの新事務所‎|2017年には元SMAPの3人が所属するCULENという事務所が、偶然、当時私が構えていた虎ノ門の弁護士事務所の隣に入居してきた。]]<br>
最近の話でいえば、[[オランダヒルズ森タワー#元SMAPメンバーの新事務所‎|2017年には元SMAPの3人が所属するCULENという事務所が、偶然、当時私が構えていた虎ノ門の弁護士事務所の隣に入居してきた。]]<br>
すると、雑誌やテレビの記者から「CULENの顧問弁護士になったのですか?」「関係者なのですか?」などと問い合わせが殺到した。インターネットでの書き込みを鵜呑みにしたマスコミが、真偽のほどがわからずに確認してきたのだ。
すると、雑誌やテレビの記者から「CULENの顧問弁護士になったのですか?」「関係者なのですか?」などと問い合わせが殺到した。<br>
インターネットでの書き込みを鵜呑みにしたマスコミが、真偽のほどがわからずに確認してきたのだ。


また、同じ年の9月に『週刊文春』で不倫疑惑が報じられた山尾志桜里衆議院議員の相手として、私の名前が取り沙汰されたこともある。私は山尾議員と面識もないどころか、当然、不倫相手でも何でもない。
また、同じ年の9月に『週刊文春』で不倫疑惑が報じられた山尾志桜里衆議院議員の相手として、私の名前が取り沙汰されたこともある。<br>
私は山尾議員と面識もないどころか、当然、不倫相手でも何でもない。


その号が発売される前日に、あるジャーナリストが「山尾議員の相手はK弁護士」とツイッターに書き込んだのを見た人たちが、ツイッターに「K弁護士は唐澤じゃないか?」と書き込んだのが発端だった。<br>
その号が発売される前日に、あるジャーナリストが「山尾議員の相手はK弁護士」とツイッターに書き込んだのを見た人たちが、ツイッターに「K弁護士は唐澤じゃないか?」と書き込んだのが発端だった。<br>
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犯人は、この本を興味本位で手にしているかもしれない。良心の呵責があるのならば、自ら名乗り出てほしいと思っている。<ref>漏れたのはパスをカラケーで公開した後に生IPでログインした芋の物という仮説が濃厚</ref>
犯人は、この本を興味本位で手にしているかもしれない。良心の呵責があるのならば、自ら名乗り出てほしいと思っている。<ref>漏れたのはパスをカラケーで公開した後に生IPでログインした芋の物という仮説が濃厚</ref>


このように、社会的に有名な方々と私が紐づけられ、SNS上でのなりすましアカウントが勝手に根も葉もない投稿をし続けていると、私を知らない人たちからすれば、本当に「唐澤貴洋」という人間が情報発信していると誤解してしまうだろう。<br>
このように、社会的に有名な方々と私が紐づけられ、SNS上でのなりすましアカウントが勝手に根も葉もない投稿をし続けていると、<br>
私を知らない人たちからすれば、本当に「唐澤貴洋」という人間が情報発信していると誤解してしまうだろう。<br>
刑事的には業務妨害、民事的には人格権侵害として、損害賠償請求の対象にもなりうる案件であるにもかかわらず、いまだに無法地帯であるのだ。
刑事的には業務妨害、民事的には人格権侵害として、損害賠償請求の対象にもなりうる案件であるにもかかわらず、いまだに無法地帯であるのだ。


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たしかに、現役の弁護士が何かの事件の当事者、しかも加害者となれば、ニュースは盛り上がるのかもしれない。しかし、私がインターネット上で被害に遭っていることは、少し調べればすぐにわかることだ。<br>
たしかに、現役の弁護士が何かの事件の当事者、しかも加害者となれば、ニュースは盛り上がるのかもしれない。しかし、私がインターネット上で被害に遭っていることは、少し調べればすぐにわかることだ。<br>
私に関するフェイクニュースも、情報源が信用できなかったり、私とはまったく関係がないとすぐに判明したり、不自然で怪しい文脈だったりするため、本来なら情報を扱うプロであるマスコミの方々が惑わされることはないはずだと思っていたが、<br>
私に関するフェイクニュースも、情報源が信用できなかったり、私とはまったく関係がないとすぐに判明したり、<br>
不自然で怪しい文脈だったりするため、本来なら情報を扱うプロであるマスコミの方々が惑わされることはないはずだと思っていたが、<br>
実際にマスコミの方々からの問い合わせがこれだけあることを考えれば、そうした知識を持ち合わせていない一般の人たちがインターネットの情報をたやすく信じてしまうのは仕方がないのかもしれない。
実際にマスコミの方々からの問い合わせがこれだけあることを考えれば、そうした知識を持ち合わせていない一般の人たちがインターネットの情報をたやすく信じてしまうのは仕方がないのかもしれない。


従来、マスメディアがマスメディアとして機能していた時代は、番組でのコメンテーターや芸能人などのタレントの発言も、ある程度スクリーニングされていたように記憶する。<br>
従来、マスメディアがマスメディアとして機能していた時代は、番組でのコメンテーターや芸能人などのタレントの発言も、ある程度スクリーニングされていたように記憶する。<br>
つまり、扱いの大きさも含めて、報道すべきか否かの判断基準が少なからずあったように思う。<br>
つまり、扱いの大きさも含めて、報道すべきか否かの判断基準が少なからずあったように思う。<br>
ところが、各個人がメディアを持ち、自分の意見や主義主張を、世間の目などのフィルターを通さずに情報発信できる現代にあっては、情報そのものが玉石混交であることを認識したうえで、各自が判断していかないとならない時代になっているのだ。<br>
ところが、各個人がメディアを持ち、自分の意見や主義主張を、世間の目などのフィルターを通さずに情報発信できる現代にあっては、<br>
情報そのものが玉石混交であることを認識したうえで、各自が判断していかないとならない時代になっているのだ。<br>
そうした時代背景を考慮しても、情報を精査すべき立場のマスコミの仕事に就いている記者が、インターネットの情報を鵜呑みにして問い合わせすることが少なくないことに正直驚きを隠せない。<br>
そうした時代背景を考慮しても、情報を精査すべき立場のマスコミの仕事に就いている記者が、インターネットの情報を鵜呑みにして問い合わせすることが少なくないことに正直驚きを隠せない。<br>
このことは非常に恐ろしい事実であるので、改めて多くの人に知っていてほしい。<br>
このことは非常に恐ろしい事実であるので、改めて多くの人に知っていてほしい。<br>
たとえば、法律家は論証の中で「多くの人間が言っていることが、論理的に正しいわけではない」という考え方を学ぶ。インターネット上で飛び交う情報の多くは、根拠がなく、真偽も厳密に精査されないまま、容易にリツイートやコピーをされて、拡散していく。<br>
たとえば、法律家は論証の中で「多くの人間が言っていることが、論理的に正しいわけではない」という考え方を学ぶ。<br>
インターネット上で飛び交う情報の多くは、根拠がなく、真偽も厳密に精査されないまま、容易にリツイートやコピーをされて、拡散していく。<br>
多くの者がリツイートやコピーをした記事は、多くの者が賛同しているという一点で、信用されているのだ。<br>
多くの者がリツイートやコピーをした記事は、多くの者が賛同しているという一点で、信用されているのだ。<br>
ウソで塗り固められた意図的な情報操作も簡単にできてしまう。こうした危険性を理解したうえで、自戒も込めて情報を取捨選択していかねばならない。
ウソで塗り固められた意図的な情報操作も簡単にできてしまう。こうした危険性を理解したうえで、自戒も込めて情報を取捨選択していかねばならない。
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しかし、私は弁護士を生業としているので、いち法律家として、現実に見合った法律をつくりたいとも思っている。<br>
しかし、私は弁護士を生業としているので、いち法律家として、現実に見合った法律をつくりたいとも思っている。<br>
法律をつくるのは一朝一夕にはいかない。<br>
法律をつくるのは一朝一夕にはいかない。<br>
10年単位の年月がかかる大仕事でもある。その間にも、インターネットを利用した悪意により、誰かが傷つけられ、誰かが被害に遭っている。被害者は刻一刻と増え続け、追い込まれている。<br>
10年単位の年月がかかる大仕事でもある。その間にも、インターネットを利用した悪意により、誰かが傷つけられ、誰かが被害に遭っている。<br>
本書がそうした現実を改善する一助となればという思いから、筆をとった。私の身に起こったこと、その経緯、今後の課題などをわかりやすくお伝えして、そうした事態に陥らないための道しるべとなれば率いである。
被害者は刻一刻と増え続け、追い込まれている。<br>
本書がそうした現実を改善する一助となればという思いから、筆をとった。<br>
私の身に起こったこと、その経緯、今後の課題などをわかりやすくお伝えして、そうした事態に陥らないための道しるべとなれば率いである。