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(寺岡篤志)
(寺岡篤志)
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=== SNS情報の不正利用、自民党がルール整備へ TikTok念頭(2023年4月4日) ===
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{{Archive|https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA022U90S3A400C2000000/|https://archive.md/LsLAP|'''SNS情報の不正利用、自民党がルール整備へ TikTok念頭'''}}
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自民党はSNS(交流サイト)のデータ流用や情報工作を防ぐためのルール整備を検討する。中国発の動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」を念頭に政府に実態調査を促す。米欧は法整備で先行しており、日本でも立法措置に発展する可能性がある。
自民党のルール形成戦略議員連盟(甘利明会長)が月内にも提言案をまとめる。同議連は経済安全保障の概念を政府に提起し、法整備を主導する役割を担ってきた。
ユーザーの個人情報が不正に利用されたり、偽情報の発信が確認されたりした場合に行政機関が疑いのある事業者に立ち入り検査できるよう促す。実態を正確に把握して、行政による適切な措置がとれるようにする。
SNSによる情報工作を平時から把握できるような情報収集体制も求める。政府は2024年度にも外国勢力による偽情報の発信など「情報戦」に備える専門組織を立ち上げる予定で、機能の強化を要請する。
SNSを巡って議連が問題視するのは大きく2点だ。一つはユーザーの個人情報が不正に利用されるといった恐れだ。
22年末にTikTokを運営する親会社がフィナンシャル・タイムズ(FT)の記者らの個人情報に不正にアクセスしていたことが発覚した。内部からの情報漏洩に関する調査の一環として、位置情報を分析しようとしていたという。
中国は国家情報法により、政府が企業などが持つデータにアクセスできる権限を持つ。米国などで利用者の個人情報が収集され、中国政府や中国共産党へ提供される不安が高まっている。
もうひとつがSNSの投稿によって相手国の世論を自国に有利な方向へ誘導する「認知戦」に利用される事態だ。ロシアによるウクライナ侵攻でも、侵攻直後にウクライナのゼレンスキー大統領が首都キーウ(キエフ)から逃亡したとの偽情報がSNS上で流れた。
こうしたSNS上の懸念は海外では安全保障のリスクとして規制が設けられている。
米連邦議会下院の外交委員会は3月1日、米国内でのTikTokの一般利用を禁じる法案を可決した。
オーストラリア政府は4日、政府端末でのTikTokの利用を禁止すると発表した。
これにより米国や英国、カナダ、豪州、ニュージーランドの英語圏5カ国で構成する「ファイブ・アイズ」の全ての国が政府端末でのTikTokの使用を禁止した。
インドは20年にTikTokを含む複数の中国系のアプリの使用を取りやめた。
日本政府が制限しているのは機密情報を扱う機器にとどまる。機密に当たらない広報などの情報発信手段としては使用が可能だ。デジタル庁はマイナンバー制度の周知動画を公開するなどしている。
難しいのが経済的な事業への目配りだ。TikTokの利用者数は急増しており、広告など企業活動にも多用されている。利用に過度な規制をつくれば経済活動にも影響が生じかねない。
議連の中山展宏事務局長は欧米を参考にしながら「まずは疑いを事実として判断できる状況や環境を整えるべきだ」と語る。
強制性を持つ措置を講じるには法的な裏付けが必要となる。日本には他国に情報を流したり、偽情報を流布したりといった安全保障上の脅威に対処する観点での法整備はされていない。
事業者のサービス停止などの規定をもつ経済安全保障推進法の対象拡大などが浮上している。
サイバー法制に詳しい山岡裕明弁護士「政府支給端末でTikTok使用禁止を」
米欧の動向を踏まえれば、日本政府も機密情報を扱う機器に限らず、政府職員の端末でTikTokを使用禁止にする必要がある。政府職員の位置情報など機密性の高いデータがアプリを通じて悪用される恐れがあるからだ。
米国のような一般利用を制限する法整備は、利用者の表現の自由などとの兼ね合いがあり、どのように実効性を確保するかも不透明だ。スマホ事業者の協力を得て、問題のあるアプリをダウンロードできないようにすることも一案だ。
過度な規制とならないよう実態把握が重要だ。データは一度サーバーに送信されればどう利用されたかを把握するのは難しい。立ち入り検査などによる事業者の内部情報の把握は実効性の確保につながる。
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== 山岡裕明の掲載(日経XTECH) ==
== 山岡裕明の掲載(日経XTECH) ==