「唐澤貴洋/新聞記事」の版間の差分

中日新聞 2020年7月12日付の記事を追加。Web版には未掲載。
>六高ダイ
編集の要約なし
>黒水力
(中日新聞 2020年7月12日付の記事を追加。Web版には未掲載。)
461行目: 461行目:
   翌日、弟は自室の出窓にベルトをかけて首をつっていた。唐澤さんは弟の受けた集団暴行と、ネット中傷を重ね合わせる。「どちらも、人を人と思わない弱いモノいじめに過ぎない」
   翌日、弟は自室の出窓にベルトをかけて首をつっていた。唐澤さんは弟の受けた集団暴行と、ネット中傷を重ね合わせる。「どちらも、人を人と思わない弱いモノいじめに過ぎない」
   匿名の誹謗中傷の投稿者を特定しやすくすべきではないか。そんな議論が政府内で高まる。「表現の自由」を脅かす、との指摘もあるが、'''唐澤さんは「公益性が強い表現ほど匿名を担保する必要性がある。表現の対象と内容に留意して、公益情報は(特定しやすくする)対象外にするべきだ」。私人に対するプライバシー侵害については、「開示請求を受けたプロバイダーが、開示するかどうかを判断しやすくする仕組みを作るべきだ」とも訴える。'''
   匿名の誹謗中傷の投稿者を特定しやすくすべきではないか。そんな議論が政府内で高まる。「表現の自由」を脅かす、との指摘もあるが、'''唐澤さんは「公益性が強い表現ほど匿名を担保する必要性がある。表現の対象と内容に留意して、公益情報は(特定しやすくする)対象外にするべきだ」。私人に対するプライバシー侵害については、「開示請求を受けたプロバイダーが、開示するかどうかを判断しやすくする仕組みを作るべきだ」とも訴える。'''
==SNSでの誹謗中傷(後編) 抑止になる法整備を(中日新聞、2020年7月12日)==
'''抑止になる法整備を''' 弁護士 唐沢<ref>「澤」の字が新字体になっているのは、尊師の誤記ではなく、中日新聞社の表記規定に基づくものである。</ref>貴洋さん
 二〇一二年以降、インターネット上で殺害予告などの脅迫やさまざまな誹謗中傷を受けています。自宅の住所がネット上にさらされた時は荷物をまとめ、その日のうちに家を出ました。
 これほどの損害を受けても、日本の裁判では費用を回収できません。発信者特定に必要な弁護士費用は五十万~八十万。損害賠償を求める民事裁判を起こしてもわずかなお金しか受け取れません。発信者が刑事責任を問われることも、ほぼありません。
 「プロバイダー責任制限法」は被害者のためになっていない。法改正で被害者が使いやすく、犯罪行為が抑止されるようにしなくてはいけません。
 総務省の有識者会議での議論は、開示する発信者情報に電話番号を加えるというもの。新たな裁判手続きを設けようという議論もありますが、結局、裁判的なやり取りが必要になるのなら時間がかかるだけ。それより、ネットの接続業者らが対応部署を充実させ、請求がきたら誠実に対応すればいいのです。
 それがだめなら、削除や情報開示を迅速かつ公正に判断する第三者機関の設置も視野に入れていい。私個人は「あしたはあなたが被害者になるかもしれない」と注意喚起するしかないと思っています。


== 註釈 ==
== 註釈 ==
匿名利用者