「唐澤貴洋/新聞記事」の版間の差分

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   警察に相談し、脅迫容疑などで約10人が逮捕・書類送検された。その後、過激な書き込みは減ったが、中傷は続く。「(ネット空間では)話し合う以前に、自分の主張に合わなければ人格否定をする。健全な言論空間として機能していない」
   警察に相談し、脅迫容疑などで約10人が逮捕・書類送検された。その後、過激な書き込みは減ったが、中傷は続く。「(ネット空間では)話し合う以前に、自分の主張に合わなければ人格否定をする。健全な言論空間として機能していない」
   唐澤さんがネット中傷問題にこだわる原点は、高校時代に弟を失った経験だ。
   唐澤さんがネット中傷問題にこだわる原点は、高校時代に弟を失った経験だ。
   当時、1歳年下の弟が知人グループに目をつけられていた。パーティー券を売るよう指示されたが、お金が集められず、河川敷で集団暴行を受けたという。 翌日、弟は自室の出窓にベルトをかけて首をつっていた。唐澤さんは弟の受けた集団暴行と、ネット中傷を重ね合わせる。「どちらも、人を人と思わない弱いモノいじめに過ぎない」
   当時、1歳年下の弟が知人グループに目をつけられていた。パーティー券を売るよう指示されたが、お金が集められず、河川敷で集団暴行を受けたという。
 翌日、弟は自室の出窓にベルトをかけて首をつっていた。唐澤さんは弟の受けた集団暴行と、ネット中傷を重ね合わせる。「どちらも、人を人と思わない弱いモノいじめに過ぎない」
   匿名の誹謗中傷の投稿者を特定しやすくすべきではないか。そんな議論が政府内で高まる。「表現の自由」を脅かす、との指摘もあるが、唐澤さんはこう考える。
   匿名の誹謗中傷の投稿者を特定しやすくすべきではないか。そんな議論が政府内で高まる。「表現の自由」を脅かす、との指摘もあるが、唐澤さんはこう考える。
   「公益性が強い表現ほど匿名を担保する必要性がある。表現の対象と内容に留意して、公益情報は(特定しやすくする)対象外にするなど、判断基準を細分化していくことが必要だ」
   「公益性が強い表現ほど匿名を担保する必要性がある。表現の対象と内容に留意して、公益情報は(特定しやすくする)対象外にするなど、判断基準を細分化していくことが必要だ」
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   私は、悔しくて仕返ししたいのに何もできなかった。当時、高校を中退し、図書館で片っ端から本を読みあさるか、ただ当てもなく河川敷を走る日々から、定時制高校に入り直したばかりでした。自分は何もできなかった。だから戦う「武器」がいると、子どもながら感じた。その後、弁護士を目指しました。
   私は、悔しくて仕返ししたいのに何もできなかった。当時、高校を中退し、図書館で片っ端から本を読みあさるか、ただ当てもなく河川敷を走る日々から、定時制高校に入り直したばかりでした。自分は何もできなかった。だから戦う「武器」がいると、子どもながら感じた。その後、弁護士を目指しました。
   ネット中傷の問題を扱う以上、自分が攻撃の対象になります。殺害予告を受けた時も、周囲には「大丈夫です」と言っていても、しんどかった。お酒を大量に飲まないと寝付けず、暴飲暴食で体重もかなり増えました。でも弁護士をやめようとは思っていない。弟の時に感じた理不尽をネット中傷に感じます。こちらは死ぬ気でやっていますから。匿名で人権を侵害する人たちとは、徹底的に戦うつもりです。
   ネット中傷の問題を扱う以上、自分が攻撃の対象になります。殺害予告を受けた時も、周囲には「大丈夫です」と言っていても、しんどかった。お酒を大量に飲まないと寝付けず、暴飲暴食で体重もかなり増えました。でも弁護士をやめようとは思っていない。弟の時に感じた理不尽をネット中傷に感じます。こちらは死ぬ気でやっていますから。匿名で人権を侵害する人たちとは、徹底的に戦うつもりです。
== ネット中傷との闘い方 経験者2人が語る「ハードル」(朝日新聞、2020年6月22日) ==
''唐澤貴洋のコメント部分のみ記述する''<br>
''2020年6月6日の「ネット中傷 闘った苦心」の本文と違う箇所を強調する''
[[ファイル:Asahi20200622.jpg|300px]]
'''発信者の開示「判断早めて」'''<ref>{{archive|https://www.asahi.com/articles/ASN6Q4DV7N5VOBJB00H.html|https://archive.vn/8bNId|ネット中傷との闘い方 経験者2人が語る「ハードル」:朝日新聞デジタル}}</ref>
 「現状では中傷される側の権利侵害が実質放置されている。発信者の開示請求に対する判断が早くでるような、仕組みにするべきだ」
 こう話すのは、ネット中傷の発信者を特定する仕事を多く手がけ、自身も中傷の対象になった経験を持つ唐澤貴洋弁護士(42)だ。
 2012年、ネット掲示板で中傷を受けたという高校生から依頼を受けた。掲示板の運営者に削除請求をし、裁判所は発信者開示の仮処分を決定。唐澤さんへの中傷が始まったのはそれからだ。「詐欺師」「無能」。批判や揶揄(やゆ)がツイッターなどにあふれ、次第に脅迫に変わっていった。
 「ナイフでめった刺しにして殺すとか、過激になった」。家族の名前や実家の登記簿などもネット上にさらされた。
 警察に相談し、脅迫容疑などで約10人が逮捕・書類送検された。'''その後、警察の協力もあり、書き込みをした人物数人に直接会った。「どうしてこんなことをしたのか」と聞くと、彼らは「投稿の反応が楽しみだった」と答えた。
 唐澤さんは「ネット社会ではネタになれば何でもいい。憎しみが動機ではなく、集団コミュニケーションの中の居場所探しでしかない」とした上で「(ネット空間では)話し合う以前に、自分の主張に合わなければ人格否定をする。健全な言論空間として機能していない」と指摘する。'''
 唐澤さんがネット中傷問題にこだわる原点は、高校時代に弟を失った経験だ。
 当時、1歳年下の弟が知人グループに目をつけられていた。パーティー券を売るよう指示されたが、お金が集められず、河川敷で集団暴行を受けたという。
 翌日、弟は自室の出窓にベルトをかけて首をつっていた。唐澤さんは弟の受けた集団暴行と、ネット中傷を重ね合わせる。「どちらも、人を人と思わない弱いモノいじめに過ぎない」
 匿名の誹謗中傷の投稿者を特定しやすくすべきではないか。そんな議論が政府内で高まる。「表現の自由」を脅かす、との指摘もあるが、'''唐澤さんは「公益性が強い表現ほど匿名を担保する必要性がある。表現の対象と内容に留意して、公益情報は(特定しやすくする)対象外にするべきだ」。私人に対するプライバシー侵害については、「開示請求を受けたプロバイダーが、開示するかどうかを判断しやすくする仕組みを作るべきだ」とも訴える。'''


== 註釈 ==
== 註釈 ==
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