→対談 ジャーナリスト 渋井哲也
>島田「にかい」 |
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'''競争が生まれることも'''</div> | '''競争が生まれることも'''</div> | ||
'''唐澤''' 仮にネットに自分の居場所が見つけられたとしても、それに依存しすぎるとどうなっていくんですかね。 | |||
'''渋井''' 居場所に依存すること自体は悪くないと思うんですけど、僕は居場所っていうのは、居場所でない場所があることによって、初めて居場所になると思うんですよ。<br> | |||
極端な言い方をすると、24時間働けます的な状況にいるから、たまに羽を休められる場所がある。なので、ずっとその居場所に居続けてしまうと、今度はその居場所の平凡さ、変化のなさに耐えられなくなる。そうすると、今度は競争が始まるんです。 | |||
'''唐澤''' 居場所にいる仲間たちとの競争ですか? | |||
'''渋井''' はい。たとえばインターネットの中で自傷行為のコミュニティがあったとします。そこでは、「いつから切ってるのか」、あるいは「どのカッターでを使ってるのか」とか、「まだコンビニのカッターを使ってるの?東急ハンズのカッターがいいよ」とか。同じ自傷行為でもそれ以外のなにかで争っちゃうんですよ。<br> | |||
本来コミュニティは癒やしの場所としてお互いつながっていたのに、それ以外で争っていくんですね。 | |||
'''唐澤''' 初めは居場所の中に同化していたものが、次第に分離や階層化していく。居場所だったはずなのに、ずっといることによって、居場所を居場所として維持するための努力をしなければならなくなるんですね。 | |||
'''渋井''' そう。ネットのホームページってより多くのアクセスが欲しいじゃないですか。だからアクセスを増やすためにリストカットの画像を送ったり、そのうち画像だけでは足りなくなると動画を送ったりするんですよ。<br> | |||
それは居場所を維持するためでもあるんですけど、「こんな状況の私をどうにかしてほしい」というSOSの意思も込められているんです。競争したい気持ちとSOS、2つの感情を含んでいるから複雑なんですよね。 | |||
<div style="font-size:110%">'''身体的影響が'''<br> | <div style="font-size:110%">'''身体的影響が'''<br> |