恒心文庫:雄マン帝国

本文

「俺はこんな虎ノ門の一介の弁護士事務所の代表で終わる気なんてない!」
裕明は常々、当職にその大きな野心を語ってくれた。
「俺はこの東京を、天皇が治める日本という国に新たな帝国を作ってやるんだ!」
随分と壮大な野望じゃないか、当職が好物のガリガリくんの袋を開けつつ一体どんな国を作るナリ?と問うてみると当職が夢想だにしない返答が返ってきた。
「なんナリ?オスマン帝国ナリか?」
「そう雄マン帝国だ。考えてみろよ唐澤、東大卒で、弁護士様の俺が、目の前にある欲しいものを全て手中に収めることができないんだぜ!本来ならあそこに居るパツパツのジーンズ履いた男のケツを掘りてえと思ったら俺は相手の同意なしに掘りまくれる権利を持っているはずなんだ、あそこの輩みたいな男のケツを見てみろよ!あんなにプリンとしてやがる、過去の悪行を根掘り葉掘り日の元に晒してやった後、公衆の面前で根掘り葉掘りガン掘りしてやるのによ!」

当職はドン引きしつつも平静を装って、裕明を刺激しないように言葉を慎重に選んで返答する、裕明のイモで当職がイモ掘りされても困るからだ。この興奮具合を見る限り
下手すると当職は掘って掘って掘りまくられかねない。
「弁護士は特権階級ナリ、上級国民ナリよ、そこらを歩いている奴らなんて確かに奴婢と同じ扱いされても文句は言えないナリ」
「俺は、この事務所を出て行くよ、唐澤。袂を分つんだ、俺は俺の国を手に入れる」
これが当職と裕明が交わした最後の言葉だった。

数年後東京都千代田区は混沌の坩堝とかしていた。ハードなコスチュームに身を包み、男の象徴を誇示する野郎どもがスーツを着た男を狩り始めるようになった。
山岡裕明は雄マン帝国の樹立と日本からの独立を宣言し、自衛隊や警察に己の尖兵を差し向けた。
男ばかりの組織は裕明の尖兵の前になす術もなく後ろの処女を散らしていき、肛門科はコロナウイルス摂取会場よりも人が陸族となだれ込んでいった。

マラを模した玉座に腰掛け、四つん這いの男共が引くパレード用の神輿に乗り裕明が東京を凱旋する。あるものは悲鳴を、あるものは歓声をあげ彼を迎えた。
そんな裕明を何とも言えない憂いを帯びた眼差しで見つめる貴洋、もう裕明と当職の道は交わることはないナリね、嘆息を漏らすと
貴洋はパレードの人混みの中に消えていった
以後貴洋の行方は杳として知れず。
東京と千葉は瞬く間に裕明の手に落ち
千葉は雄マンハーレムと化してしまった。

タイトルについて

この作品は公開された際タイトルがありませんでした。このタイトルは便宜上付けたものです。元ネタはオスマン帝国

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