恒心文庫:森から高へ

本文

 かの男性が森タワーを出て高會堂ビルへと移ったのは厳然たる事実である。
 しかし、諸君はここで違和感を覚えるであろう。この移転の過程には空白期間が存在する。
 森から高へ、ならば必然的に空白期間は「公」となるのだ。

 ある日、唐澤貴洋は森公高からシーランド公国への招待券を受け取った。まことに遺憾ながら一枚しかなかったため、同僚には内緒で一人で行くことにした。
 愛機、父洋の状態は良好だ。貴洋は生涯一穴主義であるので、父洋以外の女性には触れない。慣れた手つきで社会の窓を開くや、飛び出るチェリー。そのチェリーを父洋のウツボカズラに擦り付ける。
「出りゅ!出りゅよ!」
 父洋の嬌声とともに、貴洋はシーランド公国へと旅だった。

 貴洋は長い谷や川、小さな関、森のなかの園、藤原太一を乗り越えついにシーランド公国にたどり着いたが、そこは何もない殺風景な場所であった。
 困惑する貴洋と父洋。更に悪いことに、彼らのもとに334発もの核兵器が迫っていた。発射したのは森公高である。彼は北朝鮮とのパイプを利用し、核実験を代行しつつ父洋を処理しようというのだ!
 気づいたときにはもはや間に合わん模様、シーランド公国ごと父洋は粉砕され、宙に白いモミアゲだけが漂った。
 核兵器を持ち前の脂肪で耐えきった貴洋は、自らの愛機が失われ、もはや帰る術がないと気づき、パニックに陥る。
「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )」
 どんなにあがいても無駄だとほくそ笑む森。しかしどうしたことだろう!貴洋の声とともに再生されていく父洋!貴洋の絶叫脱糞はレイズの詠唱であったのだ!
 親子の感動の再会も束の間、燃料補給のためすぐさまアナルセックスを行う二人。糞にまみれたその姿はトンスルを彷彿とさせ、その光景に感動した北尊師が核実験を停止したのはまた別のお話である。

タイトルについて

この作品は公開された際タイトルがありませんでした。このタイトルは便宜上付けたものです。

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