恒心文庫:復讐(未完)

本文

「当職は弁護士だ。お前らとは違う。」

そう言い放ちひとりモニターを眺めるからさんは、どこか悲しげに見えた。

僕はからさんと組んでもうしばらく経つけど、最近のからさんははっきり言って異常だ。

あの炎上からもう10数年が経とうとしていた。
人々は今もなおからさんのことを尊師、尊師と崇め奉り、嫌がらせもまだおさまりそうにない。

「開示だ!開示!」

からさんは今日も開示に明け暮れていた。
最近は僕や洋さんの誹謗中傷の書き込みに対しても目を光らせているようだ。

「山岡、明日のデートは中止だ。」
「突然どうしたんですか、あんなに楽しみにして…」
「当職は明日、長谷川くんの家に行く。」

この作品について

同年に同名の作品があるため、便宜上「復讐(未完)」としました。

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