恒心文庫:健康的な一日

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新型コロナウイルスの蔓延により世界中が混乱に陥る昨今、とある弁護士の一日がとても健康的だと話題になっていた
この度は彼の事務所に取材しに行きたいところだが、このご時世なので唐澤氏本人の回すカメラを通して行うことをご了承願いたい



――始めまして、この度はわざわざ撮影機器までそちらの方でご用意していただき誠にありがとうございます。
「いえいえとんでもございません!最近は子共たちも外で遊ばなくなったものでめっきり使わなくなってホコリを被ってましたから。」

――それはお気の毒に(笑)お子さんも唐澤さんのお宅で元気に遊んでることでしょう…さて本日は唐澤さんの一日の食生活について聞かせてもらいますので本日はよろしくおねがいします。
「アンノォ僕は童貞なので…というかなんで僕の家に子共がいることを…まあいいや、よろしくお願いします。」

――早速ですが唐澤さんの朝食についてお聞かせ願います。
「そうですね、僕は朝は基本的にご飯だったりパンだったり…おかずもまちまちで特に決まった食事はしてないんですが一つだけこだわってるものがあります。」

――そのこだわりとは?
「うちには会計士の父がいるのですが、父の自家製のニラを使ったニラ茶を毎日飲んでますね。」

――ニラ茶ですか!なかなか渋いチョイスですね(笑)今は朝じゃないですがちょっと見せてもらってもよろしいですか?
「そう言われると思ってもう淹れておきました(笑)今カメラを回しましたけど見えますかね」

そう言われてカメラ越しに見える液体は、ニラ茶にしては妙に茶色がかっており所々毛も浮かんでるように見える
しかし湯気が立ち上っており美味しそうな香りが今にも漂ってきそうだ

――なるほど、ところでちょっと失礼なことをお聞きしますが、毛が浮いてるのは洋さんの抜け毛が混ざっちゃったってことでいいんですかね?
「まあ…似たような感じと受け取ってもらって構いません(笑)ところでこれから昼食なので実際にその様子を見てもらいたいと思います」

――是非お願いします。普段は昼食とかは自分で作られるんですか?
「いえ全然(笑)むしろ仕事の日はレストランに行ったり、休日もカップ麺で済ませることが多かったです。ですが父がそれではいけないと僕に自炊を仕込んでくれたんですね。」

――先程話に出たニラの製造者ですね(笑)さて今回は何を作ってくれるのでしょうか?
「ずばり、ニラ玉です。すみません最近ニラにハマってしまってニラばっか使っちゃうんですよ(笑)」

そう言って彼は材料を並べる
ニラは土が付いてるのか茶色がかっていた
なるほど、先程の茶色は土が溶けた色か
ちょっとズボラなのかなこの弁護士さんは
卵の方はすでに溶かれているが、有精卵なのかどこか赤みがかっていた

「この卵もですね、父が毎朝用意してくれるんですよ(笑)卵も自家製なんですねうちは」

――へぇ~、唐澤さんのお宅はかなりオーガニックな食卓なんですね!でも鶏を飼ってるということは毎朝うるさかったりしませんか?
「いえいえうちのは鳴かないんですね(笑)産む時低い唸り声をあげるくらいですかね?もしよければお貸しいたしましょうか?」

――遠慮しておきます(笑)
彼は慣れた手付きで材料を炒めていく
ちゃっちゃと調味料も入れ、鍋を振る
比較的材料も少ないからかあっという間に出来上がった

――わあ!とても美味しそうですね!もし今回の取材がこのような形でなく直接伺えたら味見させてほしいくらいです!

お世辞は多少入っているが、ごく一般的な庶民派のニラ玉は自身も好物であるため自然と生唾が湧いて出るのも事実だ

「そう言うと思って既にそちらの方にも贈っておきました(笑)」

…?どういう意味だろうか?
今回確かに取材のため彼の事務所にアポは取ったがその際自身の住所など教えていないはずなのだが…

この作品について

2020年10月のカラケーwiki同時閉鎖事件により後半部分が散逸している。展開から食べ物路線だろうか?作者の方、後半をお持ちの方追加お願いします。

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