恒心文庫:お医者さんごっこ

本文

僕が小学校を卒業する頃のはなしです。
常々医者になりたい、と言っていた兄は、暇そうな僕を見つけて
「お医者さんごっこをしないか」
と言いました。僕は
「そんなの女子とやってよ」
と言ったのですが、いやらしいことをするんじゃなく、人体を知りたい、しかも女子とはお医者さんごっこをさんざんやったと言われたので、
仕方なく兄の言うとおりにしました。
兄は僕に服を全部脱ぐように言いました。
僕は「病院行ってそんなことしないよ」と言ったのですが、全身を検査したいから、という兄の熱意に負け、全裸になりました。
兄は上半身から僕の身体をチェックしていきました。
心臓や消化器の音を聴くと言って、仰向けの僕の身体に耳を当てました。
そして下腹部をしげしげと見つめました。
「まだ毛がないのか。俺のちんちんもそうだったんだけど、忘れたなあ」
と言って、兄は僕のちんちんをしごきました。
兄のしごき方はとても上手でした。僕が思わず声をあげると、兄は
「お前、射精したことあるの?」
と訊ねました。ないと答えると、
「なら精通させてやる。手じゃもったいないな」
と言って、僕のちんちんを口に含みました。
僕は頭が真っ白になる初めての感覚に打ち振るえ、ついに兄の口にバージン・ザーメンを勢いよく放出しました。この時のことは、ぼんやりとしか覚えてません。
そして僕はふと我にかえりましたが、これで終わりではなく、兄はうつ伏せになるよう言いました。
うつ伏せになった僕のお尻を広げ、さすったりしたがら、
「へぇ~男の肛門はこうなってるんだ」
などと言い、お尻の穴に人差し指を少しずつ入れてきました。
「そこ、いれちゃだめだよ」
と言いましたが、兄は
「異常がないか調べるんだ!」
と言いながら、指で僕の穴を責め続けます。
僕は形容し難い感覚に襲われ、うつ伏せのまま、また射精しました。

兄は医者になり、内視鏡検査のプロフェッショナルになりました。
きっと僕との経験が生きているでしょう。
僕は医者になりませんでした。
他人を気持ちよくさせるより、自分の快楽を求め続けたから。
でも、東京で出会った友人の求めで責めもやるようになり、今は彼と一緒の法律事務所で、入れたり入れられたりしています。

タイトルについて

この作品は公開された際タイトルがありませんでした。このタイトルは便宜上付けたものです。

リンク