ピースイニシアティブ支援センター
基本資料 | |
名称 | 一般社団法人ピースイニシアティブ支援センター |
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騒動との関連 | 唐澤貴洋の依頼人 |
関係者 | |
唐澤貴洋 |
一般社団法人ピースイニシアティブ支援センター( - しえん - 、PISC)とは、平和の文化創造の取り組みを支援することを目的とした社団法人である。唐澤貴洋の依頼人。
概要
世界基督教統一神霊協会(統一教会)の教祖である文鮮明の三男文顯進(ムン・ヒョンジン)を支持する派閥(郭グループ)が日本進出のために設立したとされる。[1]統一教会との関わりは否定しており、日本統一教会(主流派)とは敵対関係にある。
統一教会との裁判
2012年6月2日に、PISCが品川プリンスホテルにて国際カンファレンスの開催を計画するも、日本統一教会がホテル側に抗議活動の「申し入れ」を行ったため会場を変更した。[2]後日、PICSは日本統一教会の妨害により会場変更と警備強化を余儀なくされたとして損害賠償を求める裁判を起こした。[3][4](平24(ワ)31184号)
裁判所は、統一教会側の抗議に脅迫的な言辞はなく、別の場所で開催した同会議には特段のトラブルが生じなかったと判断。原告が自らホテルの利用をキャンセルしたことを踏まえ、原告の請求を棄却した。
2015年4月14日、原告側弁護士は唐澤貴洋だったことが判明した。
判決文
全文[5]
東京都中央区〈以下省略〉 原告 一般社団法人X 同代表者代表理事 A 同訴訟代理人弁護士 唐澤貴洋 東京都渋谷区〈以下省略〉 被告 Y教 同代表者代表役員 B 同訴訟代理人弁護士 今井三義 同 宮入陽子 主文 1 原告の請求を棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求 被告は,原告に対し,384万0092円及びこれに対する平成24年11月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 本件は,株式会社a(以下「a社」という。)の経営するa1ホテル(以下「本件ホテル」という。)においてイベントの開催を計画していた原告が,被告の妨害行為により上記イベントの会場の変更を余儀なくされたなどと主張して,被告に対し,不法行為に基づき,損害賠償金384万0092円及びこれに対する平成24年11月23日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 1 前提事実(争いのない事実並びに証拠及び弁論の全趣旨により容易に認定できる事実) (1)ア 被告(Y教)は,「天宙の創造神を主神として,聖書原理解説の教義をひろめ儀式行事を行い信者を教化育成する為の財務及び業務並びに事業を行う事」を目的とし,その目的達成に資するため出版業を経営する宗教法人である。 イ 原告は,「日本をはじめ世界各地で平和のために行われている取り組みの振興と発展に資すること」を目的として,イベントの開催事業等を行う一般社団法人である。なお,原告代表者は,元Y教会員である。 (2)ア 原告は,b法人(アメリカに本部を置くNPO法人)の運動(b1運動。以下「本件運動」という。)を本邦において展開する準備の一環として,平成24年6月2日(以下,月日のみ記載するときは全て平成24年である。)に本件ホテルの宴会場(以下「本件会場」という。)において「b2会議」と題するイベント(b2会議。以下「本件会議」という。)を開催することを計画し,3月15日,国際会議の企画運営等を業とする株式会社c(以下「c社」という。)との間で,① 委託業務を,本件会議の準備業務(原告との打合せ,会場の下見,打合せ,手配,講演資料の収集)及び開催当日の運営業務(会場,同時通訳機材,映像機材の手配,制作物の作成)とし,② 委託代金を624万7713円とする業務委託契約を締結した(甲2,29)。 イ c社は,3月23日,本件ホテルの「宴会場ご利用規約」(以下「本件利用規約」という。)に基づき,本件会場の利用の申込みをし,その頃,a社との間で,本件会場に係る利用契約(以下「本件利用契約」という。)を締結した。 本件利用規約には,① 会場利用の当日,主催者又は出席者に対する抗議活動等が予想され,他の利用客や近隣地域に迷惑がかかると判断される場合,申込みには応じられない,② 会場利用の当日,主催者又は出席者に対する抗議活動等が予想され,他の利用客や近隣地域に迷惑がかかると判断される場合,宴会等の実施を断る場合もある旨の定めがある。(甲12,24) (3) C(被告広報局渉外部長。以下「C」という。)及びD(被告広報局員。以下「D」という。)は,5月23日,本件ホテルに赴き,同ホテルの管理担当者と面会した上,同担当者に対し,「申し入れ書」と題する書面(以下「本件申入れ書」という。)を交付した。 本件申入れ書には,① 原告代表者は,Y教の信者でありながら,その指導に従わず,独自的な活動をしている,② 一昨年,ブラジルにおいて,Y教の指導に従わない者の行動により,暴力的なトラブルが発生した(以下,これを「ブラジル事件」という。),③ 本件ホテルは,これらの事情を斟酌し,速やかに対応することを願う旨の記載がある。(甲4の1及び2) (4) 本件ホテルの営業担当者から,c社の担当者を通じて連絡を受けた原告は,c社と協議の上,本件会議の会場を変更することにし,5月28日,株式会社d(以下「d社」という。)との間で,d1貸会議室(会議室。以下「d1貸会議室」という。)に係る利用契約を締結した。c社は,その後,本件利用契約を合意解約している。(甲5,6,甲25の1及び2) (5) 原告は,6月2日,d1貸会議室において,本件会議を開催した。 2 原告の主張 (1) 被告は,E(被告法務局長。以下「E」という。)及びF(被告元代表役員。以下「F」という。)を通じて,原告代表者に対し,本件会議を中止するよう申し入れ,また,C及びG(被告対外協力局副局長。以下「G」といい,C,D,E及びFと併せて「被告関係者」という。)を通じて,本件会議の共同主催者であるH(以下「H」という。)に対し,本件会議を中止するよう要請した。 さらに,被告は,a社が,従前,Y教による本件ホテルの施設の利用を拒否していたことや,右翼団体による抗議活動を理由にe組合によるホテル(a2ホテル等)の施設の利用を拒否し,その結果,多額の損害賠償金の支払等を命ずる判決を受けたこと(以下,これを「e組合事件」という。)を踏まえ,a社に原告による本件会場の利用を拒否させ,本件会議の開催を妨害することを企図して,C及びDを通じて,本件ホテルの担当者に対し,本件申入れ書を交付するとともに,原告が本件会場を利用するのであれば,今後は,Y教にも本件ホテルの施設を利用させてほしい旨や,本件会議の開催当日,公道上で,ビラの配布,拡声器を使用してのデモ等の抗議活動を行い,本件会場にも入り込む旨の申入れをして,上記担当者を脅迫した(以下,被告関係者の行為を併せて「被告の行為」という。)。 (2) 原告は,本件ホテルの担当者から,本件利用規約上,原告による本件会場の利用には応じられないと言われて,本件会議の会場をd1貸会議室に変更し,被告による抗議活動に備えて警備を強化することを余儀なくされた。これに係る損害は,次のとおり,合計384万0092円である。 ア d1貸会議室利用料(6月1日分及び同月2日分) 158万0900円 イ 委託代金増額分 88万1906円 原告は,本件会議の会場の変更に伴い,c社に対し,委託代金として712万9619円の支払をした。委託代金の増額分は88万1906円(712万9619円-624万7713円)である。 ウ 警備費用 118万4551円 原告は,被告による妨害が予想されることから,5月25日,興和警備保障株式会社との間で,警備契約を締結し,6月7日,同社に対し,70万6360円の支払をした。 また,原告は,自らのスタッフにも警備を依頼しているところ,その宿泊費,交通費等は合計47万8191円である。 エ 案内文書費用 19万2735円 原告は,招待客に案内文書を送付していたが,本件会議の会場の変更に伴い,再度,案内文書を送付することを余儀なくされた。これに係る損害は19万2735円である。 3 被告の主張 (1) E及びFは,個人的に,原告代表者と面会して,その信仰姿勢を正すとともに,信者を混乱させるような活動を自粛するよう求め,また,C及びGは,Hと面会して,本件会議の開催がY教の創始者の意向に沿うものではないことを告げたにすぎない。 C及びDは,e組合事件を踏まえると,a社が抗議活動を理由に原告による本件会場の利用を拒否するとは考えにくいことから,抗議活動を行うことをあらかじめ告知し対策を講じてもらう目的で,本件ホテルの担当者と面会して,本件申入れ書を交付するとともに,本件会議が開催される場合,合法的にビラの配布,デモ等の抗議活動を行う旨を告知したにすぎない。 被告関係者に脅迫的,威圧的な言辞はなく,いずれにせよ被告の行為に違法性はない。 (2) 損害については,いずれも相当因果関係の範囲内といえるか不明である。なお,本件利用契約は,原告代表者の了解の下,合意解約されたのであるし,原告が警備を強化する必要性もなかったのであるから,これらは,いずれにせよ因果関係がない。 第3 当裁判所の判断 1(1) 前記前提事実に加え,証拠(甲4の1及び2,甲5,9,13,14,甲25の1及び2,甲26,27,30,乙1から5まで,乙6の1及び2,乙9,乙11の1及び2,証人C,証人I,証人J,証人K,原告代表者。ただし,認定に反する部分は採用しない。)及び弁論の全趣旨によれば,① E及びFは,5月6日,原告代表者と面会して,本件会議を中止するよう求めたこと,また,C及びGは,同月15日,Hと面会して,本件会議への参加を辞退するよう要請したこと,② C及びDは,同月23日,本件ホテルの担当者(J,L)と面会して,本件申入れ書,原告代表者の経歴が記載された書籍(「○○」),本件運動の概要等が記載された書籍(「△△」)の各抜粋,ブラジル事件に係る動画を掲載したウェブサイトのURL等を交付するとともに,上記担当者に対し,(a)原告代表者はY教の指導に従わずに独自的な活動をしている,(b)本件会議が開催される場合,所轄警察署の許可を受け,公道上で,ビラを配布することや,拡声器を使用してデモを行うことを考えている,(c)また,その場合,信者が本件会議に参加する可能性もある旨を告げたこと(以下,これを「本件申入れ」という。),③ これを受けて,本件ホテルの担当者(M支配人,I〔以下「I」という。〕)は,同月24日,c社の事務所に赴き,K(c社営業統括部コンベンショングループ部長。以下「K」という。)と面会して,本件申入れがあったことを説明するとともに,(a)抗議活動が行われるのであれば,本件利用規約上,本件会場の利用の申込みには応じられない,(b)本件利用契約を解約する場合,違約金は徴収せず,前金も全額返金する旨を告げたこと,④ 本件ホテルの営業担当者から,c社の担当者を通じて連絡を受けた原告代表者は,本件会議の会場としてd1貸会議室を仮に予約し,同月28日,Iに電話をして状況を確認したこと,⑤ その結果,原告は,同日,本件会場の利用を断念して,d社との間で,d1貸会議室に係る利用契約を締結し,Kは,同月31日,Iに対し,本件利用契約を解約する旨の連絡をしたことが認められる。 (2) 原告は,被告の行為により本件会議の会場の変更,警備の強化を余儀なくされた旨の主張をする。 しかしながら,被告関係者が原告代表者ないしHに対して本件会議の中止等を要求ないし要請したからといって,これを直ちに不法行為とまでいうのは困難である。また,本件申入れについても,① その内容及び態様は,本件ホテルの担当者に対し,本件申入れ書等を交付するとともに,本件会議が開催される場合,法に則り抗議活動を行う考えであることを告げるというもので,その際,被告関係者に脅迫的な言辞や威圧的な言辞はなかったこと(乙11の1及び2,証人J),② 原告代表者は,Iからc社と相談して決めてほしいと言われ,結局,自ら本件会場の利用を断念し,Kを通じて,Iに対し,本件利用契約を解約する旨の連絡をしたこと(甲13,14,証人K,原告代表者),③ 本件会議は,6月2日,d1貸会議室において開催され,その際,特段トラブルは生じなかったこと(証人K)などからすると,被告関係者が,e組合事件を踏まえて,本件ホテルの担当者と面会し,同担当者も,このことを踏まえて対応していたことを考慮しても(甲26,乙1,証人C,証人I,証人J),本件申入れをしたことが,社会通念に照らし著しく相当性を欠くものとして不法行為を構成するとまでいうのは困難である。 2 以上によれば,原告の請求は,その余の点について判断するまでもなく,理由がない。よって,主文のとおり判決する