恒心文庫:酷評作品/ワイと俺と過去と未来

< 恒心文庫:酷評作品
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本文

人間だれしも「あの時違う選択をしていれば」と思ったことが一度はあるのではないだろうか。ただ、それはどんなに願っても叶うものではないし、願うだけ無駄なものであるというのは明白であった。そのはずだった



あの日以来俺の生活は変わってしまった。
友人、恋人等ができないのはもちろん、純粋に俺と会話してくれる人間はいなくなった。
外を歩く時不特定多数の人間の視線に怯えるようになった。
プレゼントや年賀状が届くようになった
性欲に支配された男たちが家に押し寄せるようになった
俺の名前で爆破予告がされた
日本一有名な個人宅になった
その影響は俺だけではなく家族、親戚にも及んだ
母親は精神病になってしまった
父親は職を失った
弟は友達を絶対に家に呼ばない
親戚の蕎麦屋は繁盛した

数年間に渡り犯した過ちは大きな爪痕を残した
異なる選択肢を選ぶべきだった過去は幾つもある

「クソ…あの時、合格証書なんてあげなければ…」
もう、何千回、何万回考えたであろうifの世界。
しかし悔やんでもどうしようもないのである。

人間だれしも「あの時違う選択をしていれば」と思ったことが一度はあるのではないだろうか。ただ、それはどんなに願っても叶うものではないし、願うだけ無駄なものであるというのは明白であった。そのはずだった



あの日以来俺の生活は変わってしまった。
友人、恋人等ができないのはもちろん、純粋に俺と会話してくれる人間はいなくなった。
外を歩く時不特定多数の人間の視線に怯えるようになった。
プレゼントや年賀状が届くようになった
性欲に支配された男たちが家に押し寄せるようになった
俺の名前で爆破予告がされた
日本一有名な個人宅になった
その影響は俺だけではなく家族、親戚にも及んだ
母親は精神病になってしまった
父親は職を失った
弟は友達を絶対に家に呼ばない
親戚の蕎麦屋は繁盛した

数年間に渡り犯した過ちは大きな爪痕を残した
異なる選択肢を選ぶべきだった過去は幾つもある

「クソ…あの時、卒業証書なんてあげなければ…」
もう、何千回、何万回考えたであろうifの世界。
しかし悔やんでもどうしようもないのである。
嘘だ。と思った
しかしなぜこんな嘘をつくのか
そもそも、嘘だとすぐわかる嘘をつく理由はあるのか
なにより、彼女の目は真剣そのものだった

「本当…なのか?」
「はい。」
「つまり俺を過去に戻してくれるのか?」
「はい。」

半信半疑で聞いた彼女の話をまとめるとこうだった。
●俺が強くやり直したいと願う瞬間にのみ送れるということ。
●一度に過去に滞在出来る時間は10分間ということ。

御伽噺だった。ただ、俺は藁にも縋りたい状況だ。嘘でも、やってみて欲しかった。

「俺を、過去に連れていってくれないか」

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