恒心文庫:貴洋は余ったチンコの皮を上下につまんで

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本文

引っ張る。縦に伸びた皮の中では、細く枝分かれした血管が薄く走っている。
「そのままでいろよそのままでいろよ」
小さく脈打つその筆の先に、父の顔があった。その儚げに震えるちんこの皮を、夢中で見つめている。当職はつばを無理やりに飲み込んだ。
「そのままだぞ」
父はそう言うと、縦に引っ張られてピタリと閉じた包皮に向かって口を開けていく。湿った呼気が、チン先を淡く覆う。大きく広がった唇、その赤く脈打つ口腔から、なお赤く湿った舌が伸びる。
かすかに震える舌先は、その輪郭を探るようにうねらせながら、やがてペニスに触れた。
うぁ
当職の喉から、音とも言葉ともつかぬ曖昧な熱が絞り出された。柔らかく温かな舌の表面に、ペニスの薄皮が巻き取られていく。繊維が隅の方から徐々に緩められて行くように、ちんちんの形がなくなっていく。
「んぅ」
父が喉を鳴らし、ちんちんに這わせていた舌をするりと口内に戻した。目をつぶって湿った感触に身を浸していた当職は、まるでつっかえを外されたかのように父へと倒れこんだ。
自然、父の口内へとペニスが吸い込まれた。
驚きで目を開いた当職の足元で、父はかすかに口の端を歪めた。まるで悪戯が成功した悪ガキのように、鼻の穴を誇らしげにヒクつかせていた。当職は自身の中に憮然としたものを感じたものの、きんたまの裏を撫でるつぶつぶのヒゲに、身動きが取れなかった。
ヒゲに引っかかったきんたまのシワシワに、当職は苦痛の声をあげた。腰を引こうとすると、玉が際限なく伸びていく。防御本能か、体はキンタマを体内に戻そうと皮を縮こませ、しかしそれがヒゲに引っかかり外へ外へと引きずり出される。
本気で痛がる当職に、ここまできてただならぬ雰囲気を感じ取ったのだろう。懸命に首をふる父に懸命に腰をふる当職。まるで男女の逢瀬の様に引き戻される睾丸と引き出される皮。その中間で、当職は振り回されていた。
そうして未来永劫続くかと思われた苦痛の後、父の口から引き抜いたそれは、ひどく萎縮し、ピンク色の粘液に濡れて小刻みに震えていたのだった。

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