恒心文庫:誕生日プレゼント

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本文

今日は私の誕生日パーティーだ
多数がご機嫌伺いにプレゼントを持ち、引きつった笑顔で私を取り囲んでいる
さぁ私を満足させるプレゼントはあるか
まず一人目のを開けてみる
中には高価そうなライターが入っていた
なるほど機能美を感じるデザインの高価そうなライターだ
おそらくかなりの値打ちのあるものなのだろう
しかし私は煙草など吸わないので、このライターは贈り主を十字架に貼り付けた後の着火に使用した
次のプレゼントを開ける
可愛い子犬が入っていた
ほぅ、中々よい毛並みですねぇ
血統書付きですか、良いとこの生まれなんですね
しかしながら私は生きた動物があまり好きでは無かったので剥製にして飾る事にした、贈り主と共に
次の箱は随分と重い
ほぉこれは純金ではありませんか
こんなものどうしろというのですか
なので溶かしてマヌケな贈り主の口から流し込んだりポケットに詰めて東京湾を海水浴させたりの使用法があったのでそうした
これだけのプレゼントがあるのに
私をびっくりさせて満足させるプレゼントは無いのですか
せっかくの誕生日、残念ですねぇ
とずいぶんと大きな箱が目に入る
興味をもって開けてみると中には顔見知りの白いモミアゲをした男性が入っていた

やぁキミちゃん
…ヒロくん、まさかキミ自身がプレゼントとか言い出すんじゃないだろうね
いいや違うぞい、実は出来ちゃったんじゃ
な、なんだって!?
医者が言うにはもう堕ろすのは無理らしい
・・・
せっかく授かった命、産んで育てたいんじゃ
・・・
認知しろとは言わん、ただ、知っておいて欲しかったんじゃ
・・・しよう
え?
・・・結婚しようヒロくん、今の女房とは別れる
キミちゃん!?
一緒に暮らそう、子供と一緒に
キ、キミちゃん!

───────

─────

───

こうして本物の愛が芽生えた男は愛する妻とその子供と一緒にいつまでも幸せに暮らしましたとさ
と終わると思ったモリ?
実は全部欺瞞モリ
本妻と離婚なんてしたら私の株がガタ落ちモリ
愛人が孕んだくらいで一々同様してたら今の地位に立っていないモリよ
ヒロくんと子供は今は冷たい海の底モリ
そう悪魔は邪悪な笑みを浮かべると高々と笑い声を上げるのであった

タイトルについて

この作品は公開された際タイトルがありませんでした。このタイトルは便宜上付けたものです。

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