恒心文庫:薔薇色ダンディ

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本文

ここは薔薇色ダンディという花を愛でるサロンである。
今日もここで夜な夜な男どもが心の奥底に潜む性癖を曝け出し、凶暴な欲望を解放するのだ。

主催者の森氏は薔薇を手に取ると
矯めつ眇めつしつつ口を開いた、実に美しいと思わないかね?
美しいものには必ず何か棘のようなものがあり
その棘が美しさをより一層際立たせるのだと。成る程、確かにそうである

もう1つ、醜いものとの対比である、濃い影が光をくっきりと際立たせるように
醜いもののと美しいものを対比させることで、その美しさがより際立つのだ、森氏が輝いて見えるのはそういうことなのだろう。

おもむろに森氏は逆さに吊るし開脚させられあられもない姿をさらしているデブ(40)の菊紋に薔薇を差し込んだ
くぐもった声がデブから聞こえるが口の中に詰められたもののせいで声ともうめき声とも判別がつかない。
一輪二輪と差し込み、八輪ほど差し込むと、一気に引き抜いた、貴洋の臀部に肉の花が咲いた、咲いた花は血で赤く彩られておりまさにそれは薔薇だった。

デブの隣には若い瑞々しい肉体を持った男がいた、男は昔弁護士をしていたそうだ
修行という名目でうだつの上がらない弁護士事務所にいたらしいが
鳴かず飛ばずのところを森氏に拾われたらしい。
彼の隣には首を吊り苦しみ抜いた死に顔をしている高校生くらいの遺体があった
首吊りにより首が伸びその様はまるでダチョウのようである
雄々しき雄しべを持った花とと
朽ちるのを待つばかりの花とのコントラストはさながらフリードリヒの絵画を鑑賞しているようだった。

タイトルについて

この作品は公開された際タイトルがありませんでした。このタイトルは便宜上付けたものです。

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