恒心文庫:肉欲のΔ ~糞食ケツ・三~

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本文

男が三人、互いの尻に顔を埋めていた。
小太りの男の尻に顔を埋めている初老の男性の尻に顔を埋めている細身の男の尻に顔を埋めているのが小太りの男である。
つまり男三人が、淫靡なデルタ地帯を形成していた。
空調が入っているとは言え、発情した雄の空気が立ちこめる部屋の中は暑い。尻たぶの谷間に宿る熱気はそれ以上なのか、細身の男がもうたまらんと顔を上げる。小太りの男は不満げな声を上げる。
「ひろくん、休んじゃだめナリよ」
ひろくん、と呼ばれた男は再び男の尻を貪る作業に戻る。東大卒らしい彼には約束された人生があったはずなのに、何故。輝かしい未来を捨ててまでむしゃぶりつきたくなるその魅力が、男の尻にあるとでも。
無性に興味が沸いてきた自分の心をナイフで滅多刺しにして、私は彼らに声をかける。
「唐澤さん、粉飾決算の件でお話を」
しかし、
「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )」
小太りの男の嬌声に遮られ、私の声は届かなかった。届いたのは彼が吐き出した糞便である。顔にかかる、口に入る、笑顔が零れる。
そのミルキーな香りに、私の黒いもみあげが喜んでいるのが分かってしまった。
「粉飾決算より糞食ケツ讃ですね」
そう呟いた私が参画すれば、Δは□に変化する。
「資格」を持つもの達が仮面を外せるユートピア。社会からの「死角」がここにはあったのだ。

後日。
四角と四角が足されて生まれるのは「八角」であろう。
この情事も「発覚」し、ユートピアは砂上の楼閣と化した。

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