恒心文庫:秋の味覚

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本文

暑苦しい夏が終わり秋が訪れようとしている。
読書、運動、芸術…秋の楽しみ方は人それぞれであるが、当職の楽しみ方はなんといっても食だ。
しかし、ただ食べれば良いというわけにもいかない。
どうやら当職は食通と呼ばれる人種のようで、並大抵の物では肥えた舌を満足させられないのだ。
そんな当職だが、今日は珍味を求めキノコ狩りに来ている。
どうやらこの"山"には未だ味わった事の無い幻のキノコが生えているらしい。
「からさんそこです、そこ…」
どこからともなく聞こえる"山"の声に従い茂みを掻き分けていくと、 あ り ま し た 。
猛々しく生えていたそれに当職はしゃぶりつく。
味、良し。香り、良し。コク、良し。サイズ、良し。
なるほど、幻のキノコといわれるだけはあるようだ。
さて、しっかりと味を堪能したら後はこれを抜かねばならない。
「あ、ああ…うう…からさん…」
どこからともなく聞こえる"山"の呻き声などお構いなしに、当職はキノコへ手淫を施していく。
どうやら今年は秋の味覚を十分に堪能できそうだ。

秋はまだこれからなのだから

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