恒心文庫:無いものねだり
本文
いいよなぁ貴洋は
毎日ゴロゴロして好きなだけアイスを食べられて
仕事は全て山岡君と祥平が片付けてくれる
ワシが付けた名前の通りまるで貴族だよ
洋になりたいナリねぇ
偉くて皆にチヤホヤされて
業務は山岡くんと祥平がほとんど済ませて
洋は名前を貸してるだけナリ
朝起きたら貴洋になっていた
加齢による腰痛も膝の痛さも無い…いや膝は痛い
少なくとも70の身体では無い40の若い肉体だ
早速散歩ついでにSOWAに行って糖尿病を気にせずアイスを食べまくるぞ!
「おい、あれ尊師ちゃうか」
何やら声をかけられた
「おい尊師なにしとんねん」
何だこの悪い者達は
「何無視しとんねん アッタマきた」
鳥みたいな男は懐からナイフを取り出すとワシに襲いかかってきた
ワシは一目散に逃げた
朝起きたら洋だった
やったナリ!これで洋マネーで好きなことが出来るナリ!
…と身体の様子がおかしい
トクン…トクン…生命の鼓動を感じる
洋は妊娠していた
酷いつわりで気持ち悪くて何もできない
おまけにおっぱいが張ってすごい痛いのだ
あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!
(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!
ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )
貴洋も毎日大変なんだな
洋も洋なりに苦労してるナリね
翌日二人の身体は元に戻り
その後は非常に仲の良い、互いを思いやる親子としてずっと過ごしたそうな
タイトルについて
この作品は公開された際タイトルがありませんでした。このタイトルは便宜上付けたものです。
リンク
- 初出 - デリュケースレinエビケー 無いものねだり(魚拓)
恒心文庫