恒心文庫:河野大尉

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本文

日本にまだ軍隊があった頃の話だ。
私は昭和××年○海兵団に入団した。私は華奢な体つきで乙種合格だったが、
戦況厳しい折り、私のような者も招集されたのだ。
海軍のシゴキの恐ろしさは聞いていた以上だった。
消灯前にいつも私ども新兵は整列させられ、古参の兵曹から、
お前らはたるんどると、ビンタの洗礼を受けた。
その他、海軍バッター、食卓支え、カイコ棚、などしごきを越えたイジメは日常茶飯事だった。
だが、河野大尉は格好のイジメの標的である私を哀れに思ったのか、時々部屋に呼んで励ましてくれた。
甘いものに餓えている私に、饅頭をくれたり、時には酒を振る舞ったりしてくれた。
だが、河野大尉の好意には下心があったのに気づかされる時が来た。
ある日、酒を酌み交わしているうち、上気した河野大尉は、お前は女のように奇麗な顔をしてるな、
とねばっこい口調で言った。そして、身体も見たいから脱いで見ろと言った。
私は躊躇ったが軍隊は上官の命令は絶対だ。軍服を脱いで、越中褌一つになった。
「ほうほう、女子のごつ奇麗ある」河野大尉はお国言葉を出して行った。
「褌も取らんか」河野大尉の命じるまま私は素裸になった。
「ほんに、女子のごつ白か丸い尻ばい」と、河野大尉は私の尻をなで回した。
河野大尉もズボンと褌をとった。赤黒い男根が屹立していた。
河野大尉はその男根に唾をたっぷり塗り拡げると「ちいと痛いががまんせいよ」
と私の尻に男根をあてがった。
次の瞬間メリメリと言う感じで私の中に男根が入ってきた。
「うあ、痛いであります」「ちいとのことじゃ、辛抱せい」後ろからがっちり抱えられているので私は身動きできない。
河野大尉は10分ぐらい私を突きまくって果てた。
私は尻にぽっかり穴が開いたような感じがして崩れ落ちた。河野大尉は「すまんかったな」といって私の手当てをしてくれた。
だが、その後も河野大尉は私を呼び出したびたび同じ行為をした。
河野大尉は、「良かあ、良かあ」「もっときつう突いてくんしゃい」
といったお国言葉を私に発するように求めた。
そうしているうち、私もその行為が苦でなくなり、倒錯的な快感さえ覚え、突かれながら気をやるようになり、
河野大尉に抱かれるのが待ち遠しくなっていた。
だが、河野大尉は翌年転属になり、南方のアンダマン諸島で玉砕したという。
戦後私は河野大尉の面影を求め、特殊な街角をうろつくようになったのだった。

タイトルについて

この作品は公開された際タイトルがありませんでした。このタイトルは便宜上付けたものです。

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