恒心文庫:日中レアアース紛争の行方
本文
国有化問題を巡って表面化した尖閣領土問題と、それに伴う日中
レアアース紛争。現在では、中国の企業がヤミ増産などを行ってい
るといわれ、価格は下げ止まっている。また、日本でもレアアース
を使わない技術を開発し、また中国以外からの調達を進めたことも
あって、中国がこの先日本への輸出を絞ったとしても大きな問題に
ならない、といわれている。
――というのは、一般向けの説明だ。
現実なんてそんなに教科書的な、理想主義的な説明通りにいくわけないんだ。
じゃあ現実とは?
きっかけは僕とKさんとのアナルセックスだった。
Kさんは司法修習で一緒になった僕に恋心を抱いたらしい。告白されて、何度かセックスしたのだが、あるときKさんはアナルに僕の棒を嵌めている最中、脱糞した。
気持ちよくて、臭いは気にならず、そのまま激しくピストン運動をし、射精に至ったのだが、汚れた体を洗おうとすると、光るもの
があったのだ。
Kさんはいつものことで、心配ないといっていたが、Kさんに何かあってはいけないと思った僕は、Kさんの便を掬って容器に入れ、知り合いの医師に分析を依頼した。
その結果は、あまりにも意外なものだった。
「イッテルビウム、イットリウムなど、レアアースが含まれてい
ます。こんなものを口に入れたはずがないから、体を調べたい。」
そして、医師、科学者と、レアアースの確保に苦労していた代議
士、代議士の知り合いの公認会計士業界の重鎮が臨席のもと、Kさ
んは脱糞した。調査の結果、今度はスカンジウムが見つかった。
「もしKからレアアースが安定的に調達できれば、中国に弱みを
見せることなく、レアアースの確保ができるぞ。いいか、これは絶
対に秘密だ。岩村くん(仮名、本名平田)のようになりたくないだ
ろ?」
公認会計士はそう言った。僕はKさんの健康管理係となった。
どうやら、Kさんの体内では核融合反応が起きているらしい、と
のことだったが、よくわからなかった。分析をしようにも、Kさん
を殺すわけにはいかないし、CTやMRIでもわからなかったから
だ。
核融合をしているのなら、必要量以上の有機物は大便になるだけ
だから、必要量のみ食事をすればよいという意見もあり、実際に試
したが、Kさんは機嫌を悪くした。機嫌が悪いと放射性元素を排便
するため、たまったもんじゃない。念のため放射線量測定装置を事
務所につけておいてよかった、と思った。僕は半年分の被曝で済ん
だが、もっと機嫌を損ねていたらどうなったのだろうか、想像する
だけで恐ろしい。
また、適度に少女の画像を見せることも重要だ。「いくら脱糞が
仕事だとはいえ、公的に『ネットに強い弁護士』と名乗っているの
なら、エロ画像は捨てたほうが…」と進言したが、Kさんは機嫌を
損ねそうになったので、被曝が怖い僕は慌てて少女の画像を検索し
て収集し、Kさんに見せた。
画像上の少女の年齢とか、食べたものとかで出てくるレアアース
は異なる。規則性を発見するまで半年かかった。例えば、ジュニア
アイドルの水着+カレーならユウロピウム、素人のスクール水着+
餃子ならニラ混じりのサマリウム、アウロリ+ツナコーンピザなら
5種類程度がコーンと一緒に出てくるのだ。
中国はKさんの情報を入手し、スパイを放って「○○○○殺す」
(暗殺対策のため伏字)とインターネットの掲示板で予告して暗殺
しようとした。それを保護しようと、勝手に「恒心教」を名乗る連
中がKさんを守ろうとして、混乱することもしばしばだった。そこ
で、セキュリティー対策(便臭対策も兼ねる)で事務所を引っ越し、
新しい事務所のメンバーを雇った。新メンバー、Y本君は巨根で、
それにKさんのアナルが貫かれると、レアアースの収量が増した。
今日も僕とY本君は、Kさんの食事の管理、Kさんのための画像収集、アナルセックスを行う。大変だが、我が国の資源戦略に貢献
していることはとても誇らしい。
リンク
- 初出 - [ デリュケー 日中レアアース紛争の行方]([ 魚拓])