恒心文庫:接見

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 殺害のあと強姦 凄惨な殺人事件 25歳の男逮捕 港区

 1月4日、港区六本木の飲食店で、男性客が突然男にナイフで刺され意識がもうろうとなっているところ、強姦されるという事件が起きました。

 亡くなったのは港区に住む唐澤貴洋さん(40)。同僚の男性と一緒に誕生日パーティ中でした。

「席を外している間にこのような事件が起きて本当に驚きました。本当に無念だったと思います。」(同僚の男性のコメントより)

 唐澤さんの誕生日パーティで店は貸し切りで、従業員すら控室にいて、長谷川容疑者の犯行の目撃者は同僚の男性以外いませんでした。

 殺人の容疑で逮捕されたのは長谷川亮太容疑者(25)。店に入ってすぐ唐澤さんに駆け寄り、十数回刺したあと、意識がもうろうとした被害者を強姦したとみられています。

 逮捕後の調べに対し、「被害者に人生を滅茶苦茶にされ、殺害した後あと自分も死のうと思った」と供述していますが、強姦容疑については否認しています。

 警視庁は強姦に至った経緯や理由などについてさらに詳しく捜査を進めています。



 港区の殺人事件 新たに共犯として通報した同僚男性逮捕

 先月4日に港区六本木で男性がナイフで刺されたあと強姦された事件で、警視庁は新たに共犯として同僚の山岡裕明容疑者(35)を殺人、証拠隠滅の容疑で逮捕しました。

 
 容疑者が瀕死状態にあった被害者を強姦しているところを偶然通りがかった従業員が目撃したとのことです。


 山岡容疑者は長谷川容疑者との直接の面識はありませんでしたが、被害者から長谷川容疑者についての話を聞いたことがあったとのことです。

 逮捕後の調べに対し、「前々から犯行に及ぼうと思っていた」と供述し容疑を認めています。

 警視庁は山岡容疑者が強姦に至った理由や長谷川容疑者との繋がりを持った経緯を詳しく捜査を進めています。



 こんにちは。弁護士さん。といっても僕も元弁護士ですけれど。わざわざ申し訳ありませんが、僕が同僚を強姦したのは事実です。現場にも工作しましたし、情状酌量の余地はないでしょうね。容疑も完全に認めていますよ。 
 ただ一つ、警察さんの推理と違うところがあって……はい、僕とあの殺人犯人が前もって計画していたっていうところです。犯行のために従業員も下がらせたって。あれは違うんですよ。
 だいたい、下がらせたのはからさん本人ですよ。……そう、被害者の唐澤さん。……僕と二人きりで食事をしたいからって、料理だけ用意させたんです。あれ、僕へのサプライズだったみたいで。照明も暗くして大きなケーキを出して僕を驚かせようとしたんですよ。……そうです、自分の誕生日なのに。ちょっとズレてるんですよね。普通そういうのは祝う側がやるべきなんじゃないのかって。
 そのサプライズは僕は知ってたんですね。からさんのしようとしてることなんて簡単にわかりますよ。弁護士なのに、嘘をつくのが苦手な人でしたから。嘘をつかないってわけじゃないですよ。それでまあ、途中で抜けるのもアレなんで、始まる前にトイレに行っておこうと思って。ちょっと離れて帰ってきたときにはサプライズですよ、別の催しで。
 からさんは床に這いつくばってました。背中にも跡があったから、倒れた後も刺されたんでしょうね。救急車到着の1分2分で生死を分けるってところでしょうか。脂肪があるので、案外傷も浅かったんじゃないですかね。
 ただ、僕はどうもその時焦っていたんですね。普段からいつかはこの男と体を交えてやろうと思ってたんです。わかりやすく言えば、愛してたんですね。そのデブで単純な男を。その男が今死んでしまうと永久にその思いは遂げられない。だから、急いで今やるしかないって。救急車を呼ぶなんて難しいこと、思いつかなかったわけです。
 だから、共犯ではないんです。協力して犯行を犯したわけではないので。正確には同時犯なんです。
 つまらない話をしましたね。もう、いいんじゃないでしょうか。
 ………え? 自分の愛する人が苦しんでいる姿を見ていて何故? ……さっきも言った通り、思いを果たす時間がないと思ったんです。
 ただ、それだけじゃなくて……魅力的だったんですよ。いつもより。刺されて震えてるからさんが。官能的だったんですよ。人生の中で一番。美しかったんですよ。……
 では、時間みたいなので。弁護士はどんな狂人の弁護もしないといけないんだから、大変ですよね。はは。僕みたいなのの弁護、山本なら絶対嫌がるな。いや、こっちの話です。さようなら。

タイトルについて

この作品は公開された際タイトルがありませんでした。このタイトルは便宜上付けたものです。

挿絵

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