恒心文庫:山賊のほら穴

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本文

東京都港区・某雑居ビル前

都市の中心部から外れた、ガラス張りの砦の前に二人の男が座り込み駄弁っていた
近くに酒が置いてあるのを見るに、話を肴に一杯やっているようだ
男たちは身なりがあまり良くないが、よく見ると若くガタイも良い
世間から見るとロクでなしの烙印を押されるこの二人は、実はある仕事を終えて一息ついているところだった

「……でさー、その底辺YouTuber?の代理人とかいうヤツ?がマジにかけてきたわけ!こんな体験早々ないからさ、柄にもなくマジメに“上司サマ”に取り次いだわけよ」
「うらやましーっすねぇ……俺なんかその“上司”に対する殺害予告やイタ電ばっかで面白みのカケラもねっすよ」
「バッカお前それ俺によこせよ!テキトーに応対して切るだけでいい楽なヤツじゃん!ハァー別の仕事にすりゃよかったかなー……」

意外にも彼らの仕事は事務所のコールセンター
彼らの言う“上司”が昼間のごく短い間にのみ開いている法律相談の電話の手続きを行うというもの
彼らなりの厳正な審査を経て、改めて“上司”が掛け直し相談を行うというものであった
昼間のごく短い間、拘束時間も短く実入りの良いこの仕事は彼らにとってとてもいいものだった
文句を言ってるのは、その仕事が予想以上に楽で物足りなさを感じていたからであった
実は彼らは所謂半グレ出身で、ある権力者からの命令で拠点から下り強盗・殺人などどんな仕事でも行う、まさに現代に生きる山賊であった
そんな彼らがこの日雇いの派遣もどきの仕事を続けるのは、ある楽しみがあるからだ

「おいお前ら!今日もアレ、手伝ってもらうからさっさと上がってこい!」
「あっ原田さん」
「了解っす」

男たちがカップや缶に残った酒をあおると軽い足取りでエレベーターへ向かった

「おい!戻ったぞデブ共!そんな粗末なもん弄ってもどうせ満足しねえんだからとっととケツ向けろ!」
ぎっとり脂ぎった中年と白いモミアゲの老人が一糸まとわぬ姿で皮余りの魔羅をしごいていたが、怒号が響くと一様に机に手を付き尻を向けた

「おーおー今日もいい顔でチンポシコってんねぇー“上司サマ”?いやこういう事するときはたかちゃんって言うんだっけか」
「もみちゃ~んおちんぽのじかんでちゅよ~」

名前を呼ばれると皮被りのちんぽがピクリと動き尻の穴がヒクヒクする
この事務所の主であり、“上司”と呼ばれた男唐澤貴洋とその父であり実質トップの洋は代々陰茎が小ぶりで皮が余りまくる体質であった
彼らは一般的な自慰行為や魔羅を使った性行為はその小ささから十分なストロークを得られず、達することはできなかった
そのため、他人に尻を掘られることで初めて射精を行い性処理ができるのだ
貴洋の法律相談の時間が極端に短いのは性処理をしないと仕事に手がつかず我慢できなくなるからである
かつて彼らの性処理を担っていた同僚がいたが、飽きて捨てられてしまったため藁をも掴む思いで父が知り合いに頼むとこの原田という男が現れた
彼はノンケだが彼の所属する市民団体が異性同性問わず性に飢えてたので表向きは補佐の弁護士として、裏では団体の男を呼びホモセックスさせるたかひろくん係として活動してたのだ

「しかしこいつまだ前戯もしてないのにもう腸液ダラダラじゃねっすかwそんなに俺らのセックス気持ちいいの?」

ブンブンと首を縦に振るたかちゃんともみちゃん
その顔は恍惚に歪み、口と尻からよだれをダラダラ垂らす有様であった

「しっかし原田さんも趣味悪いっすね~こんな上玉2匹飼ってんのに全然手出さないんですから」
「しょうがねえだろこっちだって最初弁護士の仕事としか言われなかったんだから」

だが如何に性に飢えてるとはいえこのようなふくよかな男性を犯す趣味のある男は早々おらず難航していた
洋の生存報告や貴洋のYouTuber活動に間が空くのもなかなか具合の良い男根が見つからなかったからだ
そこでこの山賊に目をつけた
彼らはカネさえ積めばどんな汚れ仕事でもやってくれるプロフェッショナルだ
男娼まがいのことをするのはここが初めてだが彼らの趣味はこのような中年男性を犯すことでもあり、性癖どストライクのこの二人を犯せるのは役得なので引き受けることになった

たかちゃんともみちゃんの尻の穴が今か今かとひくひく蠢動し、待ちきれなくなったのか尻を振って誘惑し始める
かつての同僚のことも忘れ、すっかり彼らの魔羅の虜になった肉便器たち


いつしかこの事務所は山賊のほら穴と呼ばれるようになった
男たちが喘ぎ、呻きながらも快楽に酔いしれる声がまるで山賊の宴のように聞こえるからである
しかし──

「オラッ射精すぞクソジジイ!経産婦ケツマン締めて俺の子を孕め!」
「クソ漏らしてんじゃねえぞデブ!流れたクソの分追加でザー汁ぶち込むからな!」

山賊たちにとっては、この肉便器こそがほら穴であった

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