恒心文庫:初夜

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本文

貴洋と厚史は父洋の床の正面に立っていた。二人とも褌一丁である。
何が始まるのか。これは唐澤家が江戸時代から保っている秘蹟、選別の儀である。
此夜、唐澤家を嗣ぐ者がただ一人に決まる。それに値しない者はただ墓石に名が刻まれるのみ。
一英の皺くちゃの顔が歪んだ。
「・・・うむ、始めよ」
しばし貴洋は厚史と顔を見合わせたが、どちらともなしに父洋の床に入った。
貴洋はゆっくりと腰を構える。それは構えというには些かへっぴり腰すぎるきらいがあるが、その陰茎は硬く反っていた。
ところが貴洋が腰を突き出すより早く、一瞬で構えた厚史が先んじた。貴洋は真っ青になった。
厚史の陰茎は細長く、処女菊門をこじ開けるのに非常に適していた。
「ぐ、うむぅ、あ」洋が声を上げる。腸内をかき回される不快感に脂汗を垂らし、その体はテカテカと光った。
厚史はそんな洋のことは構わず、ただ抽送する。肛門の摩擦により分泌された腸液が潤滑液となり、じゅぽじゅぽと音を立てた。
貴洋は死の恐怖にがたがたと震えながらも、脳裏では厚史を押しのける算段を立てていた。
出し抜けに貴洋は動き出した。後ろから厚史の尻を掴み、彼のぼってりした怒張を無理矢理押し込んだ。
ブチッ。「あんぎゃぁぁあ!!!」厚史の肛門が裂けたのは誰の耳にも明らかだった。
彼は手をばたばたさせてまるで飛ぼうかとするかのように藻掻いた。しかし、その甲斐もなく、気を失って後ろに倒れ込んでしまった。
洋の穴に入っていた厚史の陰茎がするりと抜けた。貴洋は厚史を捨てるように離し、改めて父洋の肛穴に狙いを定める。
厚史が先にこね耕していた洋の腸内は柔らかかった。貴洋の肉竿はそれを押し広げ、彼の形に変えていく。
「んくふぅっ、ぅあ、はあっ」快感に洋は腰をくねらせる。それと同時に彼の腸内はうねっていた。
とうとうそのときが来た。貴洋はパンパンに膨らんだ陰嚢からの白濁をすべて吐き出し、洋の内部を隅から隅まで白く染め上げた。
「終わったな」
一英が倒れ込む三人に告げた。彼は気絶する厚史を抱えて部屋から出ていった。
その後厚史を見た者はいない。

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