恒心文庫:Now printing

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本文

山岡くんは初め、ただの金縛りかと思っていた
仮眠室で寝ていると何者かにのしかかられるような感覚があったのだ
しかし目を開けても誰もいない
普通の金縛りと違うのは「何か」が呼吸しているように感じられたことと、極めて性的な手つきで自分の身体を撫で回したことだ
山岡くんは気のせいだろう、疲れているのだろう、と自分を納得させていたが、何度も何度も続くうえ、普通に仕事をしていても尻を触られるような感覚があったため途方に暮れた

我慢の限界に達した山岡くんはついにからさんに相談した
すると愛しのからさんも同じような陰湿嫌がらせ工作を受けているのだという
「当職もこの間いきなり胸を揉みしだかれたナリ……」
たかひろくん係としてのプライドを著しく傷つけられた山岡くんはブチギレ寸前だった
自分だけならまだしも、からさんに手を出すなんて許しがたい蛮行である
「きっと幽霊ナリよ。洋に頼んでお祓いをしてもらうナリ」
からさんはどうにか山岡くんを宥めた

「……と、いうことがあったから、山本くんも気をつけてね」
山岡くんが言うと「はぁーい」と間延びした返事をした山本は、ニヤニヤ笑いながら「多分透明人間じゃないですかね」と言って自分のデスクに戻った

解説

この作品が発表された2016年12月当時山本祥平のご尊容は開示されておらず、所属していた東京大学のアメフトサークルでも「Now printing」だったことから [1]山本には透明人間属性が付いていた。

挿絵

リンク

 注釈