恒心文庫:K先生誕生日おめでとう杯

2021年6月11日 (金) 19:39時点における>チー二ョによる版 (→‎本文)

本文

ふと、昔のことを思い出した。

40年前の今日、愛する家族が増えた日。
仕事で忙しく、寝顔を見るだけだった日々。
休みの日には背に乗せて一緒に遊んだ。
たまに兄弟で喧嘩していたのも、今となっては微笑ましい。

遠い、遠い、懐かしき日々――。



K先生誕生日おめでとう杯。
最上級国民であるK先生を讃え、楽しませるために全国各地でレースが催される。
それは虎ノ門にある、とあるビルの一室でも同じだった。

「しょーへー!! ぜったい当職が勝つナリよ!!」
騎手である小太りの弁護士が吠える。跨る馬は美しい白毛まじりの全裸の会計士である。名はヒロシ。
モミアゲもスマートなその馬は、いかにもヒロシゲスマートである。

「俺達のテクニックは誰にも負けない、だろう?」
対するは猥褻な雰囲気の弁護士。跨る馬は立派な髭とたくましい胸毛を持つ全裸の弁護士である。名はヒロアキ。
うつろな目に闘志を燃やし、よだれを垂らして騎手に応える姿はやる気十分に見える。

予定時刻。事務員がK先生の誕生日を祝う言葉を述べた後、ゲートが開かれた。

飛び出したのはヒロシであった。巨体に見合わぬ快足で一番内側を疾走する。
それに追いすがるヒロアキ。ぴったりとヒロシの外側に張り付く。差は半馬身。
両者はそのままコーナーを回った。

バックストレッチを過ぎても差は変わらない。小太りの弁護士は焦った。既に鞭を何回か使い、ヒロシの足を使っているのに!
第三コーナーでヒロアキが差した。猥褻な弁護士がそれに合わせてヒロユキの右乳首をつまむと、ヒロアキはさらに加速し、ヒロシを抜きさった。

必死に追うヒロシ。狂ったように鞭を振るう小太りの弁護士。勢い余って鞭の先端がヒロシの肛門から直腸へ入ってしまう。
たまらずヒロシは絶頂した。

「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!)」
年末年始に暴飲暴食を続け、真冬に全裸で走っているヒロシの肛門から噴出したのは大量の下痢便であった。
女性器でもあるその穴から下痢便を噴出するという圧倒的な快感に負け、ヒロシは転倒。痙攣しながら何度も何度も絶頂した。
今やヒロシのケツマンコはゲリまみれ。おお、見よ! あの穴を!! なんというヒロシゲリマンコ!!

レースに勝ったのは卑猥な弁護士とヒロアキ。金一封(300万円)を手にした二人は喜び、お互いの乳首にキスをした。

小太りの弁護士とヒロシはゴールに辿り着けなかった。
ホームストレッチに広がる下痢便の中央で立ち上がった小太りの弁護士は、怒りに顔を赤く染め、顎肉を震わせながら吠えた。
「あああああああ!!!!! 本当に!! この馬は!!! 役立たずナリね!!! まともに走らない馬は馬刺しになっちゃえばいいナリ!!!!!」

卑猥な弁護士と乳首の弱い弁護士がゆっくりとヒロシに近づいていく。その手に大ぶりの刃物が握られているのを、ヒロシは見た。



ふと、昔のことを思い出していた。

ああ――
わが子よ。私の胤から、私の胎から生まれたわが子よ。
お前の望む通り、私はお前の腹の中へと逝こう。

だから、ああ、わが子よ!
きっと私を、ずっと速くて強い馬に生み直しておくれ――!

タイトルについて

この作品は公開された際タイトルがありませんでした。このタイトルは便宜上付けたものです。

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