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恒心文庫:ひろあき君

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本文

虎ノ門に、法律事務所クロスというものがあります。しかし法律事務所とは建前で、実際は出張ホスト、つまりゲイ向けの風俗店でありました。
一番美しい男を、と電話を入れると、彼は一分一秒遅れることなく私の滞在するホテルにやってきました。
ドアの前に立っていたのは、すらりとして彫りの深い美男子でした。私は感激して彼、ひろあき君を部屋に迎え入れました。
「外は寒かったろう」「腹は減っていないか」「楽にするといい」
私はいくつか声をかけましたが、彼は僅かに頷いたり、かぶりを振るばかりで、あまり話しません。
なんだ無愛想なやつだな、と普段であればムッとするところですが、そのときの私はすっかり彼に酩酊してしまっていたのです。痩せていて、なんだか虚ろな瞳も、憂気な魅力として私の目に映りました。
彼がシャワーを浴びている間、水音にさえどぎまぎして、立ったり座ったり部屋の中を歩き回ったりしました。
バスルームから出てきた彼をすぐに抱きすくめ夢中で接吻いたしました。そのままベッドに参りまして、まだしっとりと濡れている身体を愛撫します。乳首を捏ねると次第に頬が赤みを帯び、興奮しているのがよく分かりました。
痛がらないようアヌスにたっぷりローションを塗りこみ挿入すると、なよやかな身体がしなり彼はすぐに絶頂してしまいました。
私はまだでしたので自らの竿で彼の菊門を味わっていると、サイドテーブルに置いてあった彼のスマートフォンに着信がありました。誰からのものなのか私には分かりませんが、ひろあき君は
「今セックスしてる」
と言い、すぐに通話を切ってしまいました。すると先程までの無愛想さとは打って変って、彼は情熱的に私を求めるようになりました。喘ぎの合間に誰かの名前を呼んでいましたが、詳しくは思い出せません。
私の回想は、これで終わりになります。

タイトルについて

この作品は公開された際タイトルがありませんでした。このタイトルは便宜上付けたものです。

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