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恒心文庫:飯テロ

提供:唐澤貴洋Wiki
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本文

当職はTwitterをやっている。当職の理想の世界を創るため、生きる事の大切さや社会問題、政治の話題をメインにツイートしている。
Twitterを始めた当初、来世はカメムシの様な孤独な人間共が噛み付いてくる事が多かった。それらを排除した努力もあり、最近では内容に賛同してくれる心ある方々が目立つ様になった。
まつたけと名乗る女性や応援しているNHK党の支持者たちが当職の主なファン層だが、その中に少し変わった人がいる。

名前は「ぞの」。
外食したときの料理の写真を「飯テロ」と称して当職のリプ欄に送ってくる人だ。
料理の写真の種類は数えきれない程様々だ。
食事の時、常に写真を撮る人は何を見ているのかと考えた事があったが、彼の写真を見てるとそこに生活があって、人を感じる事が分かり、好きになった。

Twitter生活も数年が経ったそんなある日。
いつもの立憲民主党への罵倒ツイートを済ませた数分後「ぞの」から突然ダイレクトメッセージが届いた。
「尊師、一度会ってくれるナリか?」
法律相談だろうか、本来ならお問い合わせフォームを通して相談料30万円を請求する所だ。
だが、お気に入りという事もあるので特別に無料で快諾してあげた。連絡先や本名も過去にギフト券をプレゼントした時に押さえてあるから危険な事はしないだろう。
そう考え、来週の午後3時に事務所で会うと約束し、彼とのやり取りを終えた。

一週間後、約束の時間丁度に事務所のインターホンが鳴る。「ぞのです」と一言、彼と分かると当職は事務所へ招き入れた。
初めて彼の姿を見る。30代ぐらいだろうか、いつも送ってくる写真の様な良いものを普段食べてるからか、少しふっくらした体型だ。

早速彼の相談がスタート、よくある悩みだった。普段のTwitter内での交流もあるのか、お互い打ち解けるのも早かった。相談時間も終盤の頃、突然飯の話を始めた。ある意味彼らしい。
「そういえば昨日は焼肉を食べました、美味しかったです、有名な所ですよ。」
肉や店内が写ったスマホの画面を覗く。見覚えのある店の風景だ、どうやら元芸人が渋谷で営む焼肉屋に行ってきたらしい。
「昨日の焼肉、尊師も今からここで食べますか?」
しかし彼の持ち物に食材はおろか焼く為の七輪やホットプレートも無い。何も無いじゃないか、彼に問いただす。
「昨日の焼肉がありますよ、私の体内に…」
そう言うと突然服を脱ぎ下半身を露わにした。そしてカバンの中から皿を取り出し、それに跨いだ。まさか…

ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!

爆音と共に焼肉だったものが体内から現れ皿に大量に盛られた。
壮絶な光景と共に悪臭が室内に立ち込める。
「昨日の焼肉です、食べてください」
こんな飯テロがあるかと思うのも束の間、暴れる当職の口に無理矢理押し込んだ。
顔面についた糞のせいで悪臭が強くなる。臭いで失神しそうになったその時、違和感が当職の口の中を襲った。
高級焼肉の味だ。脂の乗ったロースやカルビが彼の体内で熟成され、濃厚な味を生み出している。さらに未消化のコーンやゴマの食感がいいアクセントでクセになる。
泣く子も黙る味というのはこれなのか、バタバタ暴れていた当職の体は止まっていた。同時に当職はこの味の虜になっていたのである。

以降、彼は予告も無しに突然事務所に現れ、前日に食べた料理を体内で熟成させる形で当職に振る舞うようになった。
画像を送るだけだったあの飯テロは意外な形
で進化したのである。

ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!

「尊師〜ニュータンタン食べる?」
今日の飯テロは当職の大好きなニュータンタンのようだ。

この作品について

尊師のツイートに常に自分の食事の画像をリプしてくる[1]ぞのヽ(‘ ∇‘ )ノTwitter:@syobon56l というアカウント[2]がおり、尊師に「いつもうまそう[3]。」「ぞのさんの写真楽しみにしています[4]。」とTwitter上で慣れ合っていた。おそらく彼を基にした作品だと思われる。

リンク・註釈

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