恒心文庫:芋堀り その2
本文
いつまでも悪芋に蹂躙されてばかりの当職たちではない
父と懇意にしている重電メーカーが試作した機械はその名も「芋キャッチャー」だ
送られてきた芋キャッチャーを早速起動させ、当職を誹謗中傷するネット掲示板にターゲットを合わせる
どんな仕掛けかは分からないが、悪芋たちは次々と芋蔓式に身元が割れ、当職のオフィスへ連行されてきたではないか
今までの仕返しをたっぷりとしなくてはいけない
筋肉質な弁護士は悪芋の一人を別室へ連れていった
そしてニタニタ笑いながら鞭や木刀でいたぶり始めたではないか
焼きを入れられている悪芋はさしずめ焼き芋といったところか
次にリャマ顔の弁護士は悪芋の一人をオフィス備え付けの個室サウナへ連れ込んだ
程無くしてサウナからはリャマ顔弁護士の嬌声が聞こえてきた
きっと中では蒸かし芋をねっとり味わっていることだろう
さて当職の番だ
百万回も殺害予告をされ続けた当職の恨み辛みを存分に晴らすのだ
当職は芋キャッチャーに「この中で一番悪くて反省してない芋をナイフで滅多刺しにするナリよ」と命じた
すると芋キャッチャーからロボットアームがニョキニョキと生えてくるではないか
その先端には刃渡り20センチはあろうかという鋭利なコンバットナイフが装着されている
オフィスの隅にへたり込んで怯える悪芋の一団を当職はワクワクして見下ろした
当職はついに勝ったのだ!
命の終わりも大好きです!
その時当職の襟首を後ろから掴むものがあった
ぎょっとして振り返ると、なんと二本目のアームが当職を物凄い力で押さえつけているではないか
コンバットナイフのアームは向きを変えて当職に近付いてくる
なんということだ、当職は安納芋だったのだ
「誰か芋キャッチャーの電源を切るナリよ!」
もがき苦しむ当職が最後に見たものは、ロボットディルドに芋掘りされ芋洋姦に加工されている父の姿だった
この作品について
同年に同題名の作品があるため、便宜上「その2」としました。
リンク
- 初出 - デリュケースレinエビケー 芋堀り その2(魚拓)
- 恒心文庫:芋掘り - 同題名の作品