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恒心文庫:コインの裏表

提供:唐澤貴洋Wiki
2020年12月19日 (土) 18:00時点における>ジ・Mによる版
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本文

弱者が強者に仕えるのは、より弱い者に対して支配者になろうとする弱者の意志が
かれを説き伏せるのだ。

――ニーチェ


 Yさんから、ウチの事務所に来ないかと誘われた。
 Yさんは大学の同期で、司法修習も同期だったが、あまり面識はなかった。
彼は中央のロースクールに行ってしまったからだ。
 しかし、声をかけてくれたということは、俺に何かを感じていたのだろうか。
 俺はすべてをYさんに知ってもらうべく、自らの痴態を曝した画像を返信した。
 俺は進学校を出て、東大に入り、「女の子」になった。
 いや、すべての女子がドMの変態というわけではないから、女子に失礼か。
 要するに、精液便所となったわけである。
 今の弁護士事務所ではそれをひた隠しにしていたが、Yさんにはすべてを
知ってもらいたいという気持ちが高まったのである。

 Yさんからメールが来た。曰く「一度会ってお話ししましょう」
 画像についてのコメントはなかった。
 Yさんに、自分の性癖は伝えられたのか? 疑問に思ったが、指定された
ホテルのラウンジに向かった。
 Yさんは、今の仕事の内容について聞き、ネットの誹謗中傷に興味があるか、
書籍のレビューが誹謗中傷になるのではないかなど、仕事の話をした。
そのような仕事には興味があったし、今までも仕事には一生懸命取り組んで
きたので、Yさんの話をよく聞き,自分の意見も言った。

 いい感じに話が盛り上がったところで、Yさんは
「このホテルの一室をとったので、場所を変えて話しましょう」と言った。
 一生懸命ネットの誹謗中傷について考えていたので、頭が回ってなかった
のだが、快く応じた。そしてYさんがとった部屋に入った。
 すると、Yさんの顔色が変わったような気がした。
「ここで服を全部脱いでください。あなたを調教します。これからは僕が
あなたのご主人さまです。」
 俺は、Yさんによって再び女の子にされたのだった。

 そしてYさんの法律事務所に参画した。公認会計士のH氏からは貴重な
話を聞くことができた。とはいえ、H氏は老齢であり、午後5時には帰った。
H氏の長男であるKもいたが、あまり仕事はしていないようだった。Kも
午後5時に帰宅した。
 その後がYさんと俺の時間だった。
 Yさんは俺を縛り、猿轡をはめ、鞭や蝋燭で責めた。
 俺は毎晩エクスタシーを感じていたのだ。

 ある日、事件は起こった。
 俺とYさんが愉しんでいるところへ、Kがジュニアアイドルのイメージ
DVDを忘れたとかで事務所へ戻ってきたのだ。
 俺は亀甲縛りにされ、猿轡をつけていた。Kはそれをみて取ってきた
DVDを落とし、激しい勢いで怒鳴った。
「神聖な事務所でこんな破廉恥なことをするなんて、はっきりいって
今のYくんとS平くんは異常だ。即刻この事務所を辞めることを切に望む」

 しかしYさんは冷静だった。俺の猿轡と手錠を解いたYさんは、俺に
目配せをした。
 俺はすぐさまKに手錠をかけた。
「何をするナリ!やめるナリ!」
「Kさん、外付けのハードディスクに、児童ポルノを入れてますよね。
スクリーンショットもありますよ。このまま僕たちに従うか、それとも
例の掲示板にスクリーンショットをばらまくか、どちらがいいですか」
「……」

 そしてKは俺たちに調教されることになった。
 俺たちはいろいろやった。亀甲縛りにしてボンレスハムのようになった
Kの肉体を写真に収めたり、「Kさんはおっぱいもあるから、ブラジャーが
必要でしょう」と言ってブラジャーを買わせたりした。デパートの
ブラジャー売り場が見える位置で俺たちはこっそり見ててニヤニヤ笑っていた。
NHKが取材をするという連絡があった時は、Kは電話取材にしようといって
いたが、俺たちが勝手に顔出し取材をOKした。取材の日は縛ったうえで
スーツを着せ、浣腸を施してアナルに栓をしていた。俺たちは現場でニヤニヤ
していた。KはNHKが帰った後、少しお漏らしをしてしまったようだった。

 俺はYさんとともにKを調教していたが、時には責められる側にもなった。
そのとき、YさんはKと俺を縛り、手錠をかけたうえで尻を突き出すように
命令し、交互にアナルに肉棒をはめたのだった。
 俺が久々に女の子としての悦びを感じていた時、Yさんは言った。
「いや、S平くんは一流のマゾヒストだけど、Kさんを責めるときは一流の
サディストだね。支配されたいという欲望と、支配したいという欲望は、
やっぱりコインの裏表なんだ」

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