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恒心文庫:イディオットロウヤーストーリーな話

提供:唐澤貴洋Wiki
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表紙

本文

イロドリミドリのギター担当、天王洲なずなです。
リハーサルの帰りに新しく出来たアイスクリーム屋さんに行ったんだけど…いや、ちゃんと買えたんだけど帰りにね…

「あ~このバニラアイス美味しい❤️今度は皆にも教えてあげようかな~」
「他にもチョコレート味、ラムネ味、コーヒー味、カレー味、エナジードリンク味、人の不幸は蜜の味、自分の不幸も蜜の味…フレーバーが豊富だから喜ぶぞ~」

駅に向かうなずなの前にでっぷりした男がアイスを嬉しそうに食べながら歩いているがどうやらなずなに気付いていない様子であった。

「あの新しいアイスクリーム屋は当職の行き付けにするナリ!特にこの人の不幸は蜜の味は格別ナリよ」
「後で山岡君にも教えてやるナリよ…って」

ドンッ!

「あぁ!」
「キャッ!」

あぁ何と言うことでしょう…互いの肩がぶつかってアイスを落としてしまったようだ。

「痛いナリ…あぁ!!当職のゲリゲリくん…じゃなかった、人の不幸は蜜の味のアイスが…自分の不幸も蜜の味にしておけば良かったナリね……」
「私のバニラアイスが…ごめんなさい、お怪我はないですか?」
「当職のアイスが…これはいけない。しっかり自分の罪を認識するナリよ!」
「え…えぇぇぇ!どうしたら良いの…ですか?」
「そうナリねぇ…」

「んで、そんな理由で連れて来たんですか唐さん…それに学生ですよ…?手伝いと言っても…」
「そんな理由でとは何ナリか!由々しき問題ナリ!弁護士に対する挑戦ナリよ!」
「まぁまぁ落ち着いて唐さん、教えてもらったアイスクリーム屋でバニラアイスを買って来ましたから。静かに食べる、それは出来ますよね?」
「はい。」
「貴女もどうぞ、チョコレートフレーバーですが」
「あ、ありがとうございます」
「うちの唐澤が御迷惑を…私は弁護士の山岡と言います。」
「あ、私は天王洲なずなと言います。舞ヶ原の高校に通ってます」
「手伝いと言ってもお茶汲みや掃除だけで結構ですよ。唐さんは強引な所があるから…」
「では改めて…当職は弁護士の唐澤貴洋です。人の不幸は蜜の味のアイスからの遺言により今から1ヶ月、当職の事務所にて手伝いをしてもらうナリ」
「山岡君も言っていたがお茶汲みや掃除、後はその他雑用で十分ナリ」
「あぁ…はい。早速お茶でもいかがですか?」
「当職はオランジーナの気分ナリ!天王洲さん。これでそこのコンビニで買ってくるナリ!後、ゲリゲリくんも6個頼むナリよ。あ、お釣りはあげるナリ」

「はぁ…はぁ…買ってきました…」
「なずなさん、お疲れ様でした。今日はもう大丈夫ですよ」
「そうですか…お疲れ様でしたぁ…」

次の日もリハーサルの終わった後、なずなは唐澤の事務所にて手伝いをしていた。

「なずなさん…今、唐さん機嫌が悪いので近寄らない方が…」
「ファッ!?何だこれは!開示だ!開示だ!開示だ!見つけ次第核を発射するナリィィ!」
「か、核って何処から…」
「天王洲さん、今から核を調達しに行くから当職の代わりに開示して欲しいナリ。パソコンは扱えるナリか?」
「インターネット検索なら…」
「それで十分ナリ、30分で戻るナリよ。それでは」

唐澤は窓をガラッと開け飛び降りたかと思えばそのまま空中浮揚し、何処かへ行ってしまった。

「行ってしまった…唐澤貴洋で検索っと…」カタカタカタカタカタ…
「なずなさん、お疲れ様です…って唐さんの席で何しているんです?」
「唐澤さんは核を調達すると言って何処かに行きましたよ~」カタカタカタカタカタ
「代わりに検索して見つけ次第開示して欲しいそうです~」カタカタカタカタカタ
「全く唐さんは…なずなさんの業務に無いので特別手当の支給をするように伝えておきますね」

30分後、唐澤は帰って来たと同時に隣の部屋に行き何やら作業をし唐澤の席に座りボタンを押した。凄まじい音と共に何かが飛んで行った。

「あの…唐澤さん…何したんですか?」
「核を発射しただけナリよ?」
「えぇ~!?か、核なんて何処から…?」
「ニューメキシコ州のロスアラモス国立研究所から頂いたナリ!因みに初代所長のロバート・オッペンハイマーとは親友だったナリよ~?」
「そうなのですか~?唐澤さんは顔が広いのですね~!」
「なずなさん、休憩しましょう!テレビでもどうです?」

山岡となずなは休憩室にてテレビを見ながら寛いでいたところに突如緊急ニュースが…

「アメリカから緊急速報です。1時間前アメリカ合衆国、ニューメキシコ州のロスアラモス国立研究所にて強奪が発生しました。犯人は日本国籍のタカヒロ・カラサワ、職業は弁護士。ナリ、ですを等と言った特徴のある話し方を見掛けましたら大至急110を。以上、速報でした」
「……」
「……」

「唐さん、まずいですよ…どうしますか?」
「唐澤さん…大丈夫なのですか?」
「当職は無実ナリ。アメリカ合衆国が何だ実害は無いナリ~」

ピンポーン

「はいナリ」
「唐澤貴洋さんですね?」
「はい」
「ニュースでご存知の筈です。貴方を逮捕します」
「当職は上級国民ナリ、あんたらとは違う」
「構わん、連れていけ」
「(まずい…ならばいつぞやのなんJ民のように乗り切るか…)」
「す、すまんやで」
「ええんやで」
「やったナリ」
「……」
「……」
「当職は無罪ナリ!お巡りさん、日米の摩擦をこれでチャラで良いですか?」
「ダメです」
「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )」
「あ、あの唐さん?チェスでもします?」
「はい」
「あ、あの唐澤さん…業務は…?」
「本日はもうあがって良いナリよ、お疲れ様でした」

あれから日は過ぎて1ヶ月が経った。
なずなの手伝いが終了した。

「なずなさん、1ヶ月お疲れ様でした。ほとんど唐さんの仕事をしてもらって悪かったね。後、特別手当を奮発してますから期待してて下さいね!」
「いえ、私も楽しかったから良いですよ~」
「お疲れナリね。今日はもう閉めて3人で当職の行き付けの店で食事にでも行くナリよ!後、山岡君の奢りナリ」
「……」

「天王洲さんはバンド活動をしているナリか」
「へぇ~さぞなずなさんは演奏上手いのでしょうね!」
「他にも作曲作詞もしてますよ~」
「ならばいつか事務所のイメージソングも作って欲しいナリよ~」
「フフフ、検討しますね~」

いつもとは違う和やかな雰囲気の食事…
なずなはつい2人に悩みを打ち明けた。

「あの…私、本当にバンド楽しめてるのか分からないんです…」
「へぇ…?どうしてです?」
「最近新しい人がチームに入って…入ったのは良いの。ただ作曲作詞が出来る人が居てあまり目立たなくなって。お茶会や衣装専門の係になったようで…」
「……」
「今、君は何を見ているのか。空は何色か。今は君の人生の始まりだ」
「君はこれからどのような大人になるのか」
「えっ?…」
「俺は君の20年後を見ている」
「世界中は貴女の敵になっても」
「貴女の側に居る弁護士が居ます」
「……」
「ありがとうございます、唐澤さん。いえ」

「唐澤先生」

食事が終わり帰ろうとした時2人に呼び止められた。

「なずなさん、これを」
「これは…名刺…ですか?」
「えぇ、もし何かありましたらいつでも連絡して下さい。事務所の電話番号も書いてますので」
「当職の名刺も受けとるナリよ、天王洲さんには強い味方が2人も居るナリ。常に大船に乗ったような物ナリ!」
「……後、当職からも特別手当があるナリ。これを」
「???」
「バンドのメンバーにもちゃんとわけるナリよ~?これは貴重だから皆喜ぶに違いないナリ!ちゃんと保証しますを」

唐澤は頑丈で重いBOXをなずなに渡した。
何やら禍々しい雰囲気はあったがせっかくの好意を無駄に出来ないと思い受け取った。

「天王洲さん、いつでも当職の事務所に遊びに来て良いナリよ~」
「あ、あの唐澤さん!」
「何ナリ?」
「BOXの中身は…何です~?」
「決して素手で触っては駄目ナリよ~なんたって貴重な貴重なロスアラモス国立研究所の最重要保管室にあったものナリ!」
「な、何ですか…?」
「デーモン・コア♥️」

ジャラララララララララ、ジャーーーーン!

あとがき

遂に完成した……ネタ切れ気味だぁ~ 次辺りはちょっぴりホラーでも書くかな!?

ねぇ、愛しい愛しい月鈴那知さん?❤️

デーモン・コアとはロスアラモス研究所で各種の実験に使われた、約14ポンドつまり6.2kgの未臨界量のプルトニウムの塊の事。 安全性を度外視した危険な実験や不注意な取り扱いの為に1945年と1946年にそれぞれ臨界状態に達してしまう事故を起こし、二人の科学者の命を奪った故に悪魔のコア、デーモン・コアと呼ぶようになった。

ロスアラモス国立研究所とはニューメキシコ州ロスアラモスにて第二次世界大戦中の1943年に、マンハッタン計画の中で原子爆弾の開発を目的として創設されたアメリカの国立研究機関の事。 他にも生命科学、ナノテクノロジー、コンピュータ科学、情報通信、環境、レーザー、材料工学、加速器科学、高エネルギー物理、中性子科学、核不拡散、安全保障、核テロを抑止する核緊急支援隊の育成等さまざまな先端科学技術について広範な研究も行われている。

ロバート・オッペンハイマーとはユダヤ系アメリカ人の物理学者で初代ロスアラモス国立研究所の所長でもある。 マンハッタン計画を主導しプロジェクトの指導者的役割を果たした為「原爆の父」と呼ばれる。 「原子力は生と死の両面を持った神である。」 インドの聖典より引用してこうも言った。「我は死神なり、世界の破壊者なり。」っと。 「科学者は罪を知った。」 原爆の父と言われたオッペンハイマーの言葉として傾聴に値する言葉。 オッペンハイマーは、日本に原爆が使われてしまった事を悔いた。そう言うつもりはなかったと……

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