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「インターネットを利用した業務妨害の現状」の版間の差分

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2016年4月11日 (月) 12:27時点における版

インターネットを利用した業務妨害の現状(いんたーねっとをりようしたぎょうむぼうがいのげんじょう)は、唐澤貴洋が第一東京弁護士会会報No.517「ICHIBEN Bulletin」平成28年4月号に寄稿したコラムである。

概要

全文

業務妨害対策だより
□弁護士業務妨害対策委員会

■インターネットを利用した業務妨害の現状
 弊職に対して、インターネット上で業務妨害が行われていることについては、以前、「業務妨害対策だより」 (平成25年4月号(481号・32頁))において報告させていただきました。その後、昨年から今年にかけて、インターネットを利用した業務妨害に加え、現実的な業務妨害が多数行われ、事務所としても存立の危機にさらされました。 本稿では、かかる実態について、ご報告申し上げます。 昨年から今年にかけて、主に3つの事件が起こりました。一つ目がTwitterを利用 した弊職への大量殺害予告事件、二つ目がGoogleマップ改ざん事件、三つ 目が複数の自治体への爆破予告事件です。
 Twitterを利用した弊職への大量殺害予告事件は0chiakiを名乗る少年(達捕時17歳の無職男性)によって行われました。Twiterの連携アプリを乗っ取り、 同アプリを利用していた者のTwitterアカウント上に、弊職への殺害予告を表示させるというものでした。その他に、同少年は、弊職の名前をもじったランサムウェア(インストールされたPCを使用不能等に陥れ、機能回復に身代金を要求するもの)を製造した疑い等他多数の嫌疑があり、最終的に出版社のサイトに不正アクセスした容疑で逮捕されました。同少年は、インターネット上では、雄弁で、様々な犯罪を行っている人物でしたので、過大なイメージをいただいていましたが、私が実際に見た人物は、眼鏡をかけ、体が小さな少年でした。Googleマップ改ざん事件とは、Googleマップ上の様々な施設表示を、弊職の旧事務所名の一部を利用して、 書き換えてしまうという事件で、これにより、事務所に業務と関係がない電話が多数かかってくるなどの業務妨害を受けました。この事件に関しては、複数人(21歳男性字生、30歳男性会社員、30歳男性無職)が関与していたとして、軽犯罪法違反で書類送検されました。この中の一人は、後に、児童ポルノの単純所持で書類送検が行われています。
 三つ目は、複数の自治体に対して、自治体のホームページ上にあるお問い合わせフォームを利用し、弊職の名前を冒用して爆破予告を行うというものでした。爆破予告は、昨年前半から起こるようになりました。 この事件に関連して、20歳の男子学生が逮捕されています。同学生は、TVや雑誌に自分が犯人である旨名乗り出て取材に応じていたことから、逮捕後、本人の映像が流れました。同人物の顔は幼く、大それた犯罪 をしそうな人物には一見見えませんが、弊職がこれまで会ったインターネット犯罪をする人物はみな一見すると普通の人物が多かったです。この事件に関しては、模倣犯も登場しており、犯罪の端緒をつかんだ際には、直ちに警察に通報する対応を取っています。弊職に対しては、これまで様々な業務妨害があったことから、現在は、管轄警察署、警視庁のサイバー犯罪対策を行っている部署に、何かあれば直ちに連絡が取れる体制が整っています。
 今現在も様々な業務妨害を受けておりますが、第一東京弁護士会及び同会業務妨害対策委員会からも多大なご支援をいただき、今後どのような業務妨害に対しても断固とした対応を取っていく体制が整って参りました。弊職への業務妨害ついて支援を表明される事で様々な危険に巻き込まれる危険性があったにもかかわらず、毅然とした態度でご支援いただいた第一東京弁護士会の諸先生方に対しては、感謝を申し上げる次第です。
(弁護士業務妨害対策委員会委員 唐澤貴洋(63期))

弁護士業務妨害対策委員会のお問い合わせは当会会員課(電話03-3595-8580)までお願いします

脚注


関連項目