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「恒心文庫:玩具(2016年)」の版間の差分

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>チー二ョ
(ページの作成:「__NOTOC__ == 本文 == <poem> 「弁護士をオモチャにしたかった」 願いはようやく叶えられた。夜の公衆トイレの個室は、冷たい蛍光…」)
(相違点なし)

2020年12月31日 (木) 08:00時点における版

本文

「弁護士をオモチャにしたかった」
願いはようやく叶えられた。夜の公衆トイレの個室は、冷たい蛍光灯の明かりすらもドアの影に遮られ届かない。薄暗い闇の中二つの体がもつれあっている。1つは痩躯1つは巨躯。
二つの体の隙間から、くちゅくちゅと粘膜同士が触れ合う音だけが響く。
執行猶予期間が満了したAは、彼が逮捕される原因となったKを虎視眈々と付け狙っていた。
職場から一人で帰宅する時間を狙い、毎日尾行を続けていた。帰宅途中をナイフで脅し、人気のない場所に連れ込み、犯す。そのような簡易ではあるが実行が困難な計画を立てた。
Kはいつも職場のビルから直接タクシーを呼び、帰宅する。しかし、今日は違った。彼はビルから出ると暗い夜道を歩いて行った。絶好の強姦日和だ。Aは思った。
Kの後をつけ、人気のない小道に入ったところを、後ろから近づ背中にナイフの柄を押し当てた。
計画を実行に移すまで、どれ程気の遠くなるような時間と労力を要したことか。裁判所で判決を受けたのは何年前だったか。もはや覚えていない。

Aは自慰によって出した自身の精液を指ですくい、Kの固くすぼまった菊門に滑り込ませた。Aの倍ほどの横幅のある肉体は体験したことのない刺激に身を震わせた。
一度出したにも関わらずAのペニスは依然いきりたっている。Aは予想以上に自分が興奮している事に驚愕した。
罪を犯す前に、最初からAを犯していれば良かったのだ。私はKを支配したい。高慢チキなプライドをズタズタに引き裂いて、足元にひざまづかせたい。そのような欲望を満たすために、
今まで回りくどいイタズラをいくつも仕掛けた。結果自分だけが身を滅ぼした、あまりにも遠回りな方法だったとAは刹那後悔する。

AはKに嫌がらせをする過程で、自身に近づき言葉巧みにAに近寄り体の関係を迫ったHの事を思い出す。Hは性欲の権化であり、人を支配することに異様な執着を示す人間だった。
Aの部屋でHは彼の髪をなでながら、彼の容姿を褒めつつ自身のズボンのチャックを下ろした。Hに体を開いている最中、AはKのことばかり考えていた。
Hのひきつった愛想笑いに吐き気を催しながらペニスを頬張った。咥えながら、自分にはこのような人間しか近づいてきたり親しくしてこないのだと思うと胸に寂寞とした思いが募った。
その上、利用価値がないと見なされれば廃棄物とされ簡単に投棄される。
一通りの行為の後、鈍い快楽と寂しさがAの目の前に横たわっていた。
スマートフォンを起動させ、アルバムフォルから会ったことも触れたこともないKの似顔絵を見つめた。殺してやる、そう思った。憎しみだけが彼の空虚を埋めてくれた。

今はどうだ。空虚は十分に満たされている。彼は性の喜び、否、生の喜びを知ってしまった。
ピストンを開始する。Kは自身の肛門にすら脂肪がまとわりついているのか、直腸は霜降り肉のように柔らかく、火傷しそうな程に熱を持っていた。二三度突くだけで己の男根が破裂しそうになる。
歯を食いしばり抽送を続ける。不意にKが振り向いてこちらを睨む。目尻には涙が浮かんでいた。
無言でズブリと深く根元から突くと、先程の威勢は何処へ行ったのか、Kは「ヒエッ」と情けない声をあげ、苦痛に顔を歪ませた。
ふくよかな裸体に覆い被さり激しく腰を打ち付ける。
「あぁっ、あぁっ・・・!」
雌のような喘ぎ声が、突く毎に発される。果たして痛みのせいか快楽から来るものなのか。
「もう我慢出来ない」
AはKを抱きしめ、Kの体の奥にどくどくと精を放つ。それに反応したのかKの肉襞が男根を急激に締め付つけてくる。
我慢の限界を迎えていたのは彼だけではなかった。
射精直後の膨張したペニスを抜く。名残惜しげにグポリと性器同士が別離した音が響く。
「もう我慢出来ないナリィイイイィィイイイ!」
Kはビクビクと大きく体を震わせた。
「あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )」
血と糞便が混じった赤黒い液体が彼に目掛けて噴水のごとく飛び散る。
Aは Kの全てを濃縮した液体を五体で受け止めた。上半身は粘液にまみれ、口に入った液体はひたすら苦く、嗅覚はとっくに麻痺している。
犯した結果、糞を全身にまき散らされる。何年も追い続け結果がこれだ。とんでもないしっぺ返しを食らったものだ。
憎しみによってKに人生を狂わされた自分こそが、彼のオモチャだったのかもな。とAは思う。しかし、オモチャになるのがこんなにも気持ちがいいことだったとは。
Aは糞まみれになりながらも、恍惚の笑みを浮かべていた。彼の心のパズルのピースは、ようやく埋まった。

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