「恒心文庫:洋「んちゅっ…ズビュビュビュ…むはっ…」」の版間の差分
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2020年3月12日 (木) 15:32時点における版
本文
もう一度だけでいい。身体を重ねたかった。
熱く抱擁をし、狂ったように舌を絡めたかった。
久しぶりの再会。
手を合わせる。口を重ねる。言葉を交わす。
一枚のガラスを隔てて。
「父さん、こんなことになってごめんよ…」
貴洋がこちらを上目遣いでみながらつぶやく。
後ろでは看守がじっと姿勢を崩さず直立している。
彼からは貴洋の行動は見えるが、私の行動は見えないかもしれない。
そう考え、私は股間のイチモツを出す。
息子の顔を見た瞬間から年甲斐もなく屹立し、亀頭からはカウパー氏腺液が糸を引いている。
看守に悟られぬように、そっと貴洋の顔を見ながらこする。
今まで味わったことのない快感が身を襲う。喘ぎ声を出しそうになる。ぐっとこらえる。
が、すぐに果ててしまう。
二人で顔を合わせ笑う。
朝起きるとパンツは夢精で濡れていた。
そうか、あれは夢なのだと悟る。
あんな幸せなことは起こりようがない。
監房を見回る看守に、夢精してしまったことを告げる。
「唐澤貴洋、いい年こいてなにをしているんだ」
嘲るような呆れるような、なんともいえない顔でこちらを見てくる。
どうして自分はあんな夢を見たのだろう。
どうして、父の立場から夢を見たのだろう。
父がまだ自分のことを愛してくれている、とでも思いたかったのか。
そんなことはありえないのに。
父洋は、絶対に自分には面会しには来てくれない。
自分のことを許してくれるわけがない。
彼を裏切り、公園で幼女を強姦してしまったのだから。
彼の身体があるのに、別の人間に手を出してしまったのだから。
ふうっと息をつき、たそがれてみようとする。
だが、部屋に窓はなかった。窓などないのだ。
リンク
- 初出 - デリュケー 洋「んちゅっ…ズビュビュビュ…むはっ…」(魚拓)
恒心文庫