恒心文庫:唐澤先輩、マジでこれやるんすか?
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唐澤先輩、マジでこれやるんすか?
と言葉の端に諦観を含ませつつなんとも言えない表情で唐澤を見下ろすのは
山本祥平である。ドン引きする祥平を意に介さず貴洋はプレイを強要する。
「当たり前ナリよ、さっさとこの格好をするナリ、当職も着替えるナリ」
2人が服を脱ぐ衣擦れの音だけがしばらく聞こえる。
祥平は何やら海賊のような出立をしており
貴洋は何やら白い鯨の着ぐるみを着込んで祥平の足元に横たわっていた。祥平の口からはこの格好に対する疑問の声が漏れた
「なんの格好すかそれ?あと俺の格好なんなんすか?あ、わかった某海賊漫画ごっこすか?唐澤先輩はさしずめ海王類ってやつっすね!なんでそんな格好なんすか、麦わら帽子かぶって、麦わらのブヒィって名乗ればいいじゃないっすか?」
それに貴洋は答える
「何言ってるナリか!貴職は純文学を読まないナリか?漫画ばっかり読むのはやめるナリ、これは白鯨ナリよ。貴職はエイハブ船長、当職は白鯨ナリ。さあ、貴職が手にしている銛を当職に力一杯突き立てるナリ!卑しい鯨であるこの当職に!」
はあ?と思わずこぼす祥平、しかし事務所の先輩である貴洋の言うことは聞かねばならない、クビにされたら他に行く当てはない。
祥平は力を込めて貴洋の体に銛を突き立てる。鋭い銛の鋒は着ぐるみなぞ易々と貫き貴洋の体に深く食い込みじっとりと血糊が染み出した。ぐふっ、とくぐもった呻き声を貴洋はあげ身を捩る。
「唐澤先輩大丈夫すか?尋常じゃない手応えがありましたよ!?」安否を気にかける祥平
しかし貴洋の返答は祥平の想像を遥かに超えるものだった。
「ダ、ダメナリよ、エイハブ船長は白鯨の心配なんてしないナリ….当職を憎む気持ちを持って銛を突き立てないとダメナリィ….」
ドン引きする祥平、銛を突き立てることを要求する貴洋がすったもんだしてる最中、裕明が帰ってきた。
「何をしてるんですか?唐さん、祥平?」
みてわからないナリか、と貴洋は答えるがわかるわけがない。しかし裕明は賢い男である、すぐ状況を察し、呆然と立ち尽くす祥平の手から銛を奪い取ると、「この畜産デブ野郎が!」と罵りつつ力任せに貴洋に突き立てた。さらに深く食い込む銛は容赦なく貴洋の体を傷つける。
「あ、いいぃぃぃぃ!いくぅっ!ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!」
貴洋は後ろから前から大量の潮を噴いて絶頂に達し。
その様にドン引きした2人はこの事務所を辞めることにした。これが裕明と祥平がクロスを離れた顛末である。
タイトルについて
この作品は公開された際タイトルがありませんでした。このタイトルは便宜上付けたものです。
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- 初出 - デリュケー 初心者投稿スレッド☆1>>669(魚拓)