「現代ビジネス」の版間の差分
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→炎上弁護士が実名告白「私に殺害予告が来るまで」~男はオフィスに突然やってきた~
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[http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53594 魚拓] | [http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53594 魚拓] | ||
===自宅を特定された日=== | ===自宅を特定された日=== | ||
2016年1月4日、38回目の誕生日を迎えたその日、自宅のポストに1通のレターパックが入っていた。嫌な予感がした。当時(今も)私は、[[唐澤貴洋#解説|とある理由]]で炎上していたのだ。 | |||
ネットで誹謗中傷を繰り返す人々(以下では、「ネット加害者」と呼ぶ)から、日々追われていた。「ついに、自宅を特定されたのか」目の前が真っ暗になった。 | ネットで誹謗中傷を繰り返す人々(以下では、「ネット加害者」と呼ぶ)から、日々追われていた。「ついに、自宅を特定されたのか」目の前が真っ暗になった。 | ||
これまでも、[[田園調布サティアン|実家の住所]]が晒されたり、[[唐澤貴洋と山岡裕明のご尊容開示事件|街を歩いているところを盗撮されたり]]などのプライバシー侵害やいやがらせを受けてきた。ついには、住むところさえも危険に晒されるようになったのかと絶望的な気持ちになった。 | |||
不安に駆られながら、インターネットで自分の名前を検索した。すると、私が住んでいるマンション名を誰かが掲示板に書き込んでいる。 | 不安に駆られながら、インターネットで自分の名前を検索した。すると、私が住んでいるマンション名を誰かが掲示板に書き込んでいる。 | ||
しかし、部屋番号まではわからなかったようだ。たしかに、レターパックには部屋番号が書かれていない。おそらくいつも配達にくる郵便局員の人が、気を利かせて私のポストに入れてくれたのだろう。 | しかし、部屋番号まではわからなかったようだ。たしかに、レターパックには部屋番号が書かれていない。おそらくいつも配達にくる郵便局員の人が、気を利かせて私のポストに入れてくれたのだろう。 | ||
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====炎上すると完全に病む==== | ====炎上すると完全に病む==== | ||
炎上すると精神状態はどうなるのか。ネットで過剰に誹謗中傷をされると、インターネットで何を言われているのか、何が起こっているかが気になり、不安で眠れなくなる。 | 炎上すると精神状態はどうなるのか。ネットで過剰に誹謗中傷をされると、インターネットで何を言われているのか、何が起こっているかが気になり、不安で眠れなくなる。 | ||
また、頻繁に悪夢を見るようになった。感情の起伏がなくなり、夜は[[酒蔵ごたん田|アルコール]]がないと[[Faithbook#事実追求|眠れない]]。当時、心療内科に行けば、なにかしらの診断がされたのではないかと思う。 | |||
また、「インターネットでの投稿を、周りの人が読んでいるのではないだろうか」、「外で私の悪口を書いている人に会うかもしれない」と周囲の目が気になり、人混みに出ることを極力避けるようになった。 | また、「インターネットでの投稿を、周りの人が読んでいるのではないだろうか」、「外で私の悪口を書いている人に会うかもしれない」と周囲の目が気になり、人混みに出ることを極力避けるようになった。 | ||
ポイントカードを利用することもやめた。ポイントカードの作成時に、不用意に個人情報を外部に出せば、リスクコントロールできないと思ったからだ。後に、[[エクシード大泉|私と何ら関係のない同姓同名の方の住所]]がインターネット上に出たことがある。 | |||
その際の投稿では、「とある企業のデータベースで検索したところ」と書かれていた。企業のデータベースにおける情報管理がどこまで厳密にされているかの保証はない。 | その際の投稿では、「とある企業のデータベースで検索したところ」と書かれていた。企業のデータベースにおける情報管理がどこまで厳密にされているかの保証はない。 | ||
「炎上すると日常生活が完全に破壊される」——。弁護士として、初めて“被害者”側に回って感じたことだ。誹謗中傷はその後も止まることなく連日続いている。 | 「炎上すると日常生活が完全に破壊される」——。弁護士として、初めて“被害者”側に回って感じたことだ。誹謗中傷はその後も止まることなく連日続いている。 | ||
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====殺害予告をしてくる人々==== | ====殺害予告をしてくる人々==== | ||
私がインターネット上で誹謗中傷されるようになって数ヵ月が経っても、私への誹謗中傷・罵詈雑言は1日も止まることなく続いていた。ところが2012年の11月ごろから、毛色の違う投稿がインターネット掲示板になされるようになった。「殺害予告」である。 | 私がインターネット上で誹謗中傷されるようになって数ヵ月が経っても、私への誹謗中傷・罵詈雑言は1日も止まることなく続いていた。ところが2012年の11月ごろから、毛色の違う投稿がインターネット掲示板になされるようになった。「殺害予告」である。 | ||
[[Dion君|殺害予告の投稿者A]]は、当時高校生で、都内にある印刷会社経営者の息子であった。未成年であったため、父親に連絡を取ったところ、「息子がそのようなことをするはずがない」と回答された。 | |||
Aは反省するどころか、[[300万騒動|私がAの自宅に送付した内容証明]]をインターネットに投稿し挑発を続けた。その後もAからの誹謗中傷は続いていた。親は、子供のインターネット上での振る舞いについて全く管理監督できていない。これは他の未成年の加害者にも共通していた。 | |||
Aの殺害予告がきっかけとなり、私に対する[[唐澤貴洋殺す|殺害予告が流行となってしまった]]。現実社会で目の前の人に殺害を予告するというのは、冗談を除けば、相当な胆力がなければできない。もちろん、刑事事件になる可能性もある。にもかかわらず、殺害予告が簡単にできてしまうのは、インターネットが事実上、無法地帯と化しているからである。 | |||
その後、多数の殺害予告が私に対してなされた。警察がある事件に関連して発表したときは、[[唐澤貴洋殺す#総数に関する議論|約95万件]]ということであった。 | |||
カッターナイフが送られてくることも複数回あった(なお、2016年11月29日に、私宛にカッターナイフを送付し殺害予告をした者については、別件で逮捕され、取り調べを受ける中で私に対しての犯行を自供し、1年8ヵ月の実刑判決が言い渡された)。 | カッターナイフが送られてくることも複数回あった(なお、2016年11月29日に、私宛にカッターナイフを送付し殺害予告をした者については、別件で逮捕され、取り調べを受ける中で私に対しての犯行を自供し、1年8ヵ月の実刑判決が言い渡された)。 | ||
殺害予告をされるようになってから、生活はさらに一変した。 | 殺害予告をされるようになってから、生活はさらに一変した。 | ||
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殺害予告については、警察に相談をさせていただいた。警察には、その後10件以上も立件をしていただき、助けられた。だが、当時はまだインターネット上の投稿が犯罪になるという認識が薄かったと思う。 | 殺害予告については、警察に相談をさせていただいた。警察には、その後10件以上も立件をしていただき、助けられた。だが、当時はまだインターネット上の投稿が犯罪になるという認識が薄かったと思う。 | ||
IPアドレスとは何か、どうすればインターネット上の犯人を特定できるのかを警察署で一生懸命伝えた。 | IPアドレスとは何か、どうすればインターネット上の犯人を特定できるのかを警察署で一生懸命伝えた。 | ||
殺害予告を受け始めて1年半がたった2014年5月、ようやく一人の逮捕者が出た。[[福嶋誠也|20歳の派遣社員の男性B]]だ。彼とは、現実でもインターネット上でも一切関わったことがない。 | |||
なぜ、Bは何ら関係のない人間に対して殺害予告をしたのか。逮捕時の様子は報道され、Bの顔を見ることができたが、幼く寂しそうな眼をしていた。Bには、更生し、平和な生活を送ってほしいと強く願っている。 | なぜ、Bは何ら関係のない人間に対して殺害予告をしたのか。逮捕時の様子は報道され、Bの顔を見ることができたが、幼く寂しそうな眼をしていた。Bには、更生し、平和な生活を送ってほしいと強く願っている。 | ||
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====犯人はこう特定する==== | ====犯人はこう特定する==== | ||
殺害予告犯Bが逮捕されてから、少しの間は殺害予告が収まった。しかし、ネット加害者は、次なる罪を犯した。[[同時爆破予告事件|爆破予告]]である。爆破予告は、私の事務所を爆破するというものから、私の名前を騙り(いわゆる「成りすまし」)、地方自治体等に爆破予告するというものまであった。 | |||
爆破予告も、連日続いた。爆破予告されたある日、事務所に行くと、事務所の入った建物の前に、東京キー局のテレビカメラのクルーがいた。犯行予告時刻に、私の事務所が爆破されないかを撮影するために来たとのことだった。 | 爆破予告も、連日続いた。爆破予告されたある日、事務所に行くと、事務所の入った建物の前に、東京キー局のテレビカメラのクルーがいた。犯行予告時刻に、私の事務所が爆破されないかを撮影するために来たとのことだった。 | ||
もし、本当に私の事務所が爆破されたとしたら、その爆風で影響を受けるであろう場所に、無防備にテレビカメラが設置されていた。 | もし、本当に私の事務所が爆破されたとしたら、その爆風で影響を受けるであろう場所に、無防備にテレビカメラが設置されていた。 | ||
自ら死地に行く者はいない。つまり、彼らはニュースのネタとして素材を取りに来ていたのだ。その意図を感じた私は、テレビ局に抗議の電話を入れたが、犯行予告時刻を過ぎるまでテレビカメラが取り除かれることはなかった。 | 自ら死地に行く者はいない。つまり、彼らはニュースのネタとして素材を取りに来ていたのだ。その意図を感じた私は、テレビ局に抗議の電話を入れたが、犯行予告時刻を過ぎるまでテレビカメラが取り除かれることはなかった。 | ||
爆破予告犯の一人に[[安藤良太|青年C]]がいた。彼を意識したのは、当初は殺害予告犯としてだった。 | |||
殺害予告犯Bが逮捕されて殺害予告が減っている中で、再び殺害予告がなされたので、私は犯人を特定すべく、動き出していた。 | 殺害予告犯Bが逮捕されて殺害予告が減っている中で、再び殺害予告がなされたので、私は犯人を特定すべく、動き出していた。 | ||