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ファイル:20161112_inlaw_20.png|(20)※次頁以降は後刻掲載します。
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''テキスト(唐澤貴洋による個別報告部分のみ)''
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唐澤:弁護士の唐澤と申します。よろしくお願いたします。昨年度、初めてこちらでお話しさせていただいた内容としては、業務妨害の内容としては、ある種、嫌がらせの形としては典型的なものが多かったのかなと思うんですが、今年に入ってちょっと特異な嫌がらせを受け出し始めまして。今現状行われている業務妨害をお伝えして、何か対応策、ご知見があればぜひ伺いたいなと思い、今日の機会をいただきました。よろしくお願いします。
 テーマとしては、匿名化技術を用いた弁護士業務妨害という内容です。初めに、ここに、ある者の告白というのは、今年に入って捕まった青年(以下、「Aさん」といいます。彼は、その後、爆破予告の再犯を行い、平成29年10月8日現在、静岡地裁で有罪判決が下され、実刑が予定されています。この彼により、様々な業務妨害を受けましたが、私(唐澤)としては、彼の更生を願っています。)がおりまして、Aさんは私に対して殺害予告等をした容疑も含めて、複数件の容疑で逮捕起訴された青年なんですけれども。この彼が逮捕後話していたことがありまして、彼はさまざまな業務妨害を行う中で、爆破予告というのを地方自治体に対して行っていたんですけども、彼自身がどういうふうに爆破予告を行っていたのかについて、こういったTor、VPN、プロキシ、Tailsというのを利用していたと。これ自体、なじみがある方にはなじみがあるんでしょうけども、なかなか普通にインターネットを利用しているだけでは特に必要ないものなので、これについて簡単にこの後説明させていただきます。この4つのセットを使って業務妨害をされていました。この下に書いてある4点セットっていうのは内容としては若干違うんですけれども、私に対して攻撃する時は、必ずこの4点セットを使ってやると身ばれしませんというお話が、このリンクには書いてあります。
 Aさんは,4点セット以外で徹底してたところが1つありまして、物理的にもパソコンを壊すというのを警察対策としてやっていました。具体的にはパソコンの記憶装置をドリルで壊していました。
 まず、Torについて簡単にお話しすると、The Onion Routerの頭文字を持ったものでオニオンルーティング(Onion routing)というある種暗号化の通信方式から名前の由来が来ているものです。。これ自体は米国の海軍が開発して、今現在オープンソースのソフトウェア開発として行われています。複数の暗号化が行われているというのを図にしたものをインターネット上で見つけたのをご覧にいただきたいのですが、このように玉ねぎのようだということで、オニオンルーティングと呼ばれています。
 これを使うと何ができるのかといいますと、例えばインターネット上で爆破予告をするといった場合、本来であれば投稿先のサーバーに接続元のIPアドレスというのが記録されるものなんですけども、この記録として残したくない場合は、Torブラウザというものをダウンロード、インストールして、それを介してインターネットにアクセスして掲示板等に投稿する。そうすると、プロバイダの本来のIPアドレスじゃなぐて、Tor関連のIPアドレスが投稿先のサーバーに記録されます。
 実例をお見せしますと、爆破予告をするという犯行予告がて私の事務所の間い合わせフォームからメールにて送られてきました。このメールの一番下のほうを見ていただくと、Torというホスト名が書いてあります。このように、問い合わせフォームから業務妨害なり強迫的な文言を行う方も、こういったTorを利用して私にアクセスしてこられました。
 Torについて、どのようなものかご理解いただくために、イメージとしてTorブラウザについてキャプションを幾つかお見せしたいんですけども、Torブラウザっていうのをダウンロード、インストールするとこういったものが、立ち上げると見えます。このTorブラウザを介してどういったサイトを見られるかといいますと、例えば恒心教サイバー部、ハッカー集団と言われている人たちが集って掲示板を見ることができます。、これはTorを介さないでは見にくいという話です。この中では爆破予告の方法論とかについて語られたりしています。
 あと、Torブラウザを介して見える世界というところの、ある問題点というのを示ししたいんですけども、これはエロいのとアングラ板というところなんですけど、内容としてはほぼ薬物売買なんですね。今、現時点でも薬物が大量に売買されています。一端をお見せすると、こういう形で連絡先を示して「覚醒剤買いませんか」とか、そういうことが普通に行われていると。これについては、警察も今現状対応できていない面があります。いま、現在、日本の治安が脅かされている、アナーキズムが存在する領域があるという現実は、現行法の限界を示しています。
 先ほどの4つの技術のうち、次にVPNというのをお話ししますと、これはVirtual Private Networkの頭文字をとったもので、VPNを介した通信を行うと接続元IPアドレスがこれまた偽装できると。ネットで書いてあった中では、VPNとTorというのを併用するといいんですよと。そうすると二重に追いづらくなるというところがあると。日本国内のVPNを利用すると、海外ホスト規制の掲示板にも投稿ができるということでよく利用されているみたいです。
 そして、プロキシです。プロキシサーバーを介して掲示板等に情報発信すると、投稿先のサーバーにはプロキシサーバーのIPアドレスしか残りません。あと、イグジットモードとして公開されているTorサーバーからのアクセスを遮断しているサイトにも対応できると。今現在、私の事務所のホームページは、Tor経由のアクセスを一切遮断してるんですけれども、プロキシを経由して来たものもありました。
 最後にテイルズです。これはUSBに保存して起動できるOSで、これも普通にインターネット上にあるソフトウェアで、ダウンロードして利用できます。使用しているパソコンには、テイルズ上で行ったことの痕跡が一切残りません。この4つ目に書いてあるリンク先は、ある少年が昨年度逮捕されたんですけども、その少年はテイルズを使っていろんなハッキング行為とか、社会に害、悪を与えるような行為を行ったということをうかがわせるような記事が投稿されています。例えば、こういうサイトからインストールできます。ちなみに、この少年は優秀な少年で、陰ながら少年の更生を願っています。いつか機会があったら、会って話を聞いてみたいと思っています。
 近時、異質な業務妨害がまた行われているのをご紹介します。crosslawfirm@sigaint.orgというメールアドレスから届いたメールで「100ビットコインを払わなければエッフェル塔を爆破する」ということが書いてあるんですね。ここには、ビットコインのウォレットのIDが書いてありまして、「ここに100ビットコイン振り込んでください」と。このビットコイン要求型の脅迫メールというのは今年の3月からずっと届いていまして、100ビットコインを払わなければ私の名前を語った爆破予告をするぞとか、あとは、私の親戚の墓がどうなってもいいのかといったような内容のメールがずっと届いています。直近ですと11月4日に届いているのを確認しました。ビットコインというのは、これほんと、皆さんご存じだと思うんですけども仮想通貨で、BTCという形で単位を換算して、今現在7万ぐらいです。ソフトウェアを介してビットコインのやりとりもできて、入手したビットコインを利用して、商品やサービスを購入できます。先ほどのメールアドレスは、Torブラウザを介してアクセスするウェブメールでして、こちらを介してメールを出すと追いづらく、警察も捜査しづらいということで利用されています。こういったサイトからサインアップしてメールを送るという形ですよね。
 私が今現在は、私に対する業務妨害に、こういった技術が利用されていますが、何らかの対応策を練っていかないと、国家的なイベントで爆破予告などのテロ行為に利用される可能性が高いです。
 こういったものには、何らかの法的規制をしていかなければいけないのではないか、国際的な枠組みの中で、議論していなかければならないのではないかと思っている次第です。以上です。
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