「恒心文庫:新事業」の版間の差分
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>麻布署SIMKANBE (ページの作成:「__NOTOC__ == 本文 == <poem> 私が両親と妻を連れて天津租界に移住してから5年ほど経つ。 会社の新事業のためにと言って連れてきたわけだが、実のところその新事業というのは麻薬の密売である。そもそも私の会社である「ネクストツプエデユケーション株式会社」はほとんど実態がない。 隠してある口座預金が底をつきかけた時に、たまたま中高学…」) |
>鬼畜康太 編集の要約なし |
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私が両親と妻を連れて天津租界に移住してから5年ほど経つ。 | 私が両親と妻を連れて天津租界に移住してから5年ほど経つ。 | ||
会社の新事業のためにと言って連れてきたわけだが、実のところその新事業というのは麻薬の密売である。そもそも私の会社である「ネクストツプエデユケーション株式会社」はほとんど実態がない。 | 会社の新事業のためにと言って連れてきたわけだが、実のところその新事業というのは麻薬の密売である。そもそも私の会社である「ネクストツプエデユケーション株式会社」はほとんど実態がない。 | ||
隠してある口座預金が底をつきかけた時に、たまたま中等学校時代の悪友から天津租界での麻薬商売の話を持ちかけられたのが幸いだった。 | |||
移住した初めの頃はしょっ引かれるのを危惧して、現地の小僧に麻薬が入った鞄を持たせて配達させるなどしていたが、憲兵の取り締まりが緩いことが分かった。 | 移住した初めの頃はしょっ引かれるのを危惧して、現地の小僧に麻薬が入った鞄を持たせて配達させるなどしていたが、憲兵の取り締まりが緩いことが分かった。 | ||
警察のご厄介になるような犯罪は決してしないという学生の時の思いはどこへやら、私は租界でやりたい放題やった。 | 警察のご厄介になるような犯罪は決してしないという学生の時の思いはどこへやら、私は租界でやりたい放題やった。 |