恒心文庫:洋人参
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本文
馬の鼻先に人参をぶら下げるという言葉がある
馬の鼻面に人参を吊るすと馬は人参に食いつこうとして盲目的に前進するというステレオタイプなイメージを指し示した言い方だ
父は悩んでいた 息子のオツムが弱すぎるのだ
中学の勉強すら碌について行けず不登校になってしまった程頭の悪い息子に対しコイツには障害でもあるのかとすら思った事がある
しかしながら我が家は名家 血筋からガイジを出すなど一族の恥
それだけは避けたかった
ある日父は閃いた
息子のやる気を極限まで引き出す為にエサをチラつかせ勉学に没頭させるのだ
昔から息子は陰茎が大好きだった
家でも外でもフンドシ一丁の父のフンドシからはみ出る陰茎を見る度に息子は夢中になってむしゃぶりついてくるのだ
父はコレを利用した
すなわち己の人参 「洋人参」を息子の目先にチラつかせ課題をクリアしたら口に含んでも可 そう言い聞かせた
それは間違いだった
ガイジがそんな取引をすんなり呑む筈がない
洋人参から漂うスケベなスメルに興奮した息子の突撃に齢70近い老体は見るも無残に弾き飛ばされた
その上に息子が馬乗りになる
洋の人参は最高だ
その事を誰よりも良く知る息子はまるで飢えた乳飲み子の様に無我夢中で父親の陰茎に舌を這わせその味を堪能するのであった
タイトルについて
この作品は公開された際タイトルがありませんでした。このタイトルは便宜上付けたものです。
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