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恒心文庫:チク音機

提供:唐澤貴洋Wiki
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本文

新国立劇場でオペラを鑑賞するのも良いが、自宅のステレオでココアを飲みながらクラシックを聴くのもまた風流だ。
特に最近はCDではなくLP盤を好むようになった。やはり老体にはこちらのアナログな音質のほうが心地良いらしい。
しかし通常の蓄音機は針にダイヤモンドを使っているので、お気に入りの盤ほどすり減ってしまうのが心苦し……かった。

最近導入した新しい「チク音機」のカバーを開ける。
お気に入りのカラヤン指揮のタンホイザーをセットし、ゆっくりとターンテーブルを回す。
そして「チク音機」の針……正確には乳首だが……をゆっくりと、ゆっくりと盤に乗せる。
すると「チク音機」の青ヒゲに囲まれた汚らしい口からカラヤン独特の繊細かつ大胆なオーケストレーションが響いてくる。
音を拾う針も生体組織由来なので盤を傷める心配もない。

チク音機からの優雅な旋律、今日もココアがおいしい。

タイトルについて

この作品は公開された際タイトルがありませんでした。このタイトルは便宜上付けたものです。

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