恒心文庫:せんとくん
本文
平城京遷都1300年記念として作られたマスコットキャラクターせんとくん
その特徴的な鹿の角とつぶらな瞳に当初は賛否両論だったが今では広く愛されている
ところ変わってこの法律事務所クロスにおいても遷都の季節が始まった
古くは恒心総合法律事務所の時代から始まり、名称がクロスに変わってもなお続く
今年7年目の3回目を迎える非常に浅い歴史の習わしであるがそこに住まう神を崇める者にとっては重要なターニングポイントとなるらしい
『尊師と呼ばれるものその身に怒りの業-カルマ-溜めしときそれを鎮めるためその躰他の聖地に移さん』
信仰者はそう言い伝えており、それを守らなかった時そこは光りに包まれる……今で言う核熱という説が有力らしいが真相は定かではない
今回は東京都港区六本木4-2-45高會堂ビル301に移った
今にもその腹と顔を怒りでパンパンにした我らが尊師・唐澤貴洋が新たなサティアンへと降り立とうとしていた
しかしいくら場所を変えようと過激派の教徒が殴り込みをかけ続けているのでこのままではイタチごっこ
そのうち受け入れ先もなくなりこの世が核の光りに包まれることは目に見えていた
そこでともに事務所を移した聖母・唐澤洋はサティアン宣伝塔として、同じビルのブロードメディア・スタジオに我らが尊師のマスコットを作りイメージビデオを作るよう志願した
ブロードメディア側は最初それを拒否したが洋さんの大量の黄金色のお菓子を渡しついでに菊の花を差し出す枕営業と、元々海外ビデオの流通をしていたこともあり、黒人である尊師のゲイポルノビデオを出せばコアな層に売れるのではないかと思いそれを承諾
作成にはある正大師の作成した偶像3Dモデルを元に様々な改造を加える
遷都ということでその土地に合ったパーツを付け加えることになった
しかし港区といってぱっと思いつくものはなにもない
これでは計画が頓挫しかねないと、差し入れにもらったリンゴ飴を食べ食あたりで腹を壊してトンズラここうとしたその時である
ぁあぁ…ゴゴゴ…
唸り声や地響きとともに液体の雪崩れる音が聞こえたので何事かと思い外に出て様子を見る
あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!! )
尊師が遷都する際その糞便を撒き散らしながら建物から建物へうんちでホバリングしながら直接向かう
この際うんちの水圧の勢いで地面に大きな地割れが入るほどである
ある土着神話の宗教行事になぞらえてゴミ渡りと名付けられたそれは、急いで様子を見に行った担当者の顔を糞便でいっぱいにし、そのショックで他のスタッフもつられて脱糞をさせるほどであった
これだ!とひらめいた全身クソまみれの担当者はこのエピソードを元に尊師の造形はそのままに世界各地をウンチのホバリングでまわりながら終点の新しいサティアンのカテドラルへと座する内容の動画を完成させた
動画はそこらの尊師MMDと大差ない内容であり、クオリティにも突出するようなものもなかったので速攻埋もれ、洋は依頼料で財産を使い果たし移転もできなくなり、部下の二人の弁護士は奈良県で鹿せんべいプレイをするために休暇を取り、港区は核の光りに包まれた
挿絵
リンク
- 初出 - デリュケー 初心者投稿スレッド☆1 >>307(魚拓)
- 聖遷
- 恒心文庫:引っ越し早々の一大事 - 同じく聖遷を題材にした作品
- 恒心文庫:事故物件製造機 - 同上
- 恒心文庫:六本の木の祟り - 同上