「新規分野で企業から信頼されている司法修習60期代のリーガルアドバイザーは誰か?」の版間の差分

>麺包超人に強い弁護士
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答 最初は、インターネット上の誹謗中傷対応から始めました。2015年当時は、まだ黎明期でほかに扱う弁護士も少なかったため、仕事は順調に拡大しました。しばらくして、「インターネット上の法律問題で企業が困難に直面する問題は何か?」換言すれば、元々の企業法務の経験とインターネット上の法律問題が交叉する分野はないか、と考えるようになりました。それがサイバーセキュリティでした。このアイディアに至る過程において、法科大学院時代に取締役の義務をテーマに研究して修士論文を書いたことを思い出しました。
答 最初は、インターネット上の誹謗中傷対応から始めました。2015年当時は、まだ黎明期でほかに扱う弁護士も少なかったため、仕事は順調に拡大しました。しばらくして、「インターネット上の法律問題で企業が困難に直面する問題は何か?」換言すれば、元々の企業法務の経験とインターネット上の法律問題が交叉する分野はないか、と考えるようになりました。それがサイバーセキュリティでした。このアイディアに至る過程において、法科大学院時代に取締役の義務をテーマに研究して修士論文を書いたことを思い出しました。
問 山岡先生が卒業された中央大学の法科大学院では論文執筆は義務とされてはいないですよね。教授の指導の下に論文を執筆なされたのでしょうか。
問 山岡先生が卒業された中央大学の法科大学院では論文執筆は義務とされてはいないですよね。教授の指導の下に論文を執筆なされたのでしょうか。
答 はい、卒業に必要なわけではありませんが、選択科目で論文を執筆しました。商事法で高名な落合誠一教授が指導教官を引き受けてくださいました。論文の内容自体は裁判例の分析が中心でしたが、落合教授からご指導をいただけたことに加え、同じく高名な大杉謙一教授にも副査を務めていただく幸運を得られました。
答 はい、卒業に必要なわけではありませんが、選択科目で論文を執筆しました。商事法で高名な{{wpl|落合誠一}}教授が指導教官を引き受けてくださいました。論文の内容自体は裁判例の分析が中心でしたが、落合教授からご指導をいただけたことに加え、同じく高名な大杉謙一教授にも副査を務めていただく幸運を得られました。
問 司法試験対策だけでない法科大学院時代を過ごされたのは素晴らしいですね。そして、弁護士になって企業法務の経験を積まれて、独立してインターネット上の誹謗中傷対応に取り組まれる中で、改めてどのようにサイバーセキュリティに注目し始めたのでしょうか
問 司法試験対策だけでない法科大学院時代を過ごされたのは素晴らしいですね。そして、弁護士になって企業法務の経験を積まれて、独立してインターネット上の誹謗中傷対応に取り組まれる中で、改めてどのようにサイバーセキュリティに注目し始めたのでしょうか
答 経営層が困るほどの問題、というのは、取締役としての善管注意義務が問われる場面と考えました。次に、事業継続が脅かされるコーポレートリスクを、インターネットに関連して考えてみると、サイバー攻撃による情報漏えいやシステム障害に思い当たりました。それらを合わせると、企業において適切なサイバーセキュリティ体制を構築してサイバー攻撃から企業を守ることは取締役の法律上の義務ではないか、という問題意識を持ちました。そして、取締役の義務であるならば有事の際の株主代表訴訟やサイバー攻撃に備えるための予防法務的な案件が今後増えるのではないか、とも思いました。ただし、問題意識が明確になり、サイバーセキュリティという自分の目指すべき方向性が定まっても、どのようにしてサイバーセキュリティを弁護士の専門性として確立していくのかはノーアイディアで、Whatは決まったがHowが分からない状況でした。そこで、まずはサイバーセキュリティに関する国家試験の取得から始めました。
答 経営層が困るほどの問題、というのは、取締役としての善管注意義務が問われる場面と考えました。次に、事業継続が脅かされるコーポレートリスクを、インターネットに関連して考えてみると、サイバー攻撃による情報漏えいやシステム障害に思い当たりました。それらを合わせると、企業において適切なサイバーセキュリティ体制を構築してサイバー攻撃から企業を守ることは取締役の法律上の義務ではないか、という問題意識を持ちました。そして、取締役の義務であるならば有事の際の株主代表訴訟やサイバー攻撃に備えるための予防法務的な案件が今後増えるのではないか、とも思いました。ただし、問題意識が明確になり、サイバーセキュリティという自分の目指すべき方向性が定まっても、どのようにしてサイバーセキュリティを弁護士の専門性として確立していくのかはノーアイディアで、Whatは決まったがHowが分からない状況でした。そこで、まずはサイバーセキュリティに関する国家試験の取得から始めました。
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[[ファイル:202212山岡先生西田先生対談3.png|300px|center]]
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問 続いて取り組んだのが論文ですね。2017年に、「サイバーセキュリティと企業法務」([[ビジネス法務]]2017年10月号〜2018年1月号)や「情報漏えいと取締役の情報セキュリティ体制整備義務」(中央ロー・ジャーナル14巻3号)として発表なされていますが、これらはひとりでご執筆なされたのでしょうか。
問 続いて取り組んだのが論文ですね。2017年に、「サイバーセキュリティと企業法務」([[ビジネス法務]]2017年10月号〜2018年1月号)や「情報漏えいと取締役の情報セキュリティ体制整備義務」(中央ロー・ジャーナル14巻3号)として発表なされていますが、これらはひとりでご執筆なされたのでしょうか。
答 修士論文でお世話になった落合教授<ref>{{wpl|落合誠一}}のことと思われる。現在は退職済み</ref>に再度の指導をお願いしたところ、ありがたいことに快く引き受けてくださいました(?)。
答 修士論文でお世話になった落合教授に再度の指導をお願いしたところ、ありがたいことに快く引き受けてくださいました(?)。
問 論文についても、サイバーセキュリティの仕事につながる見込みはあったのですか。
問 論文についても、サイバーセキュリティの仕事につながる見込みはあったのですか。
答 全くありませんでした(笑)。ただ、待っていてもサイバーセキュリティの案件がやってくるわけではありませんので、思いつくことは全てやろうと思いました。誰からも頼まれておらず、それがどうキャリアに活きるかもまったくわからない中で、2015年から2016年に掛けては情報処理技術者試験の勉強、2016年の秋から2017年の春までは論文の執筆、それ以降は留学に向けたTOEFLとGMATの勉強を続けました。土日も年末年始の休みも返上で没頭していました。振り返ると独立してからの数年は生き残るために必死ですね(笑)。
答 全くありませんでした(笑)。ただ、待っていてもサイバーセキュリティの案件がやってくるわけではありませんので、思いつくことは全てやろうと思いました。誰からも頼まれておらず、それがどうキャリアに活きるかもまったくわからない中で、2015年から2016年に掛けては情報処理技術者試験の勉強、2016年の秋から2017年の春までは論文の執筆、それ以降は留学に向けたTOEFLとGMATの勉強を続けました。土日も年末年始の休みも返上で没頭していました。振り返ると独立してからの数年は生き残るために必死ですね(笑)。