→四、我國に於ける物價對策
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=== 四、我國に於ける物價對策 === | === 四、我國に於ける物價對策 === | ||
次󠄁にインフレーシヨンの對䇿に入るわけであるが、我國の事態に於ては對外關係に於けるインフレーシヨンの對䇿は、爲替相場維持として旣に與へられた前󠄁提となつてゐるから、インフレーシヨンの對䇿は國內關係を中心として求める事にする。 | |||
而してインフレーシヨンの國內的現𧰼形態は結局物價の騰󠄁貴に歸着するのであるから、此處では物價對䇿を主として述󠄁べて行く。<br> | |||
物價對䇿には、貨資󠄁{{原文ママ|貨幣󠄁}}側からする對䇿と物資󠄁側からする對䇿とがある。<br> | |||
貨幣󠄁側からは、國民購󠄂買力の吸收及び資󠄁金流通󠄁の調󠄁整がそれである。<br> | |||
我が國の如く、金の現送󠄁量を與へられたものとする限り、軍需品の需要󠄁が現在與へられた軍需品生產力を越える場合には、消󠄁費生產の生產擴張を抑制して、抑制部分󠄁を軍需生產部門へ流入するか、或は旣存の消󠄁費財生產構󠄁造󠄁を再編󠄁成󠄁するかの方法に依らねばならないのであるが、斯かる繰作{{原文ママ|操作}}を可能ならしめる手段は、增稅及び公󠄁債の發行等による國民の購󠄂買力の吸収に外ならない。 | |||
乍然、增稅の程󠄁度は極く限られてゐるから、專ら公󠄁債の發行に依るより外にないのである。 | |||
然し、この公󠄁債の發行も唯、中央銀行が引受けて手許に所󠄁有󠄁してゐる場合には斯かる軍需品生產擴大繰作{{原文ママ|操作}}の圓滑なる運󠄁行は不可能なのである。 | |||
何故ならば、市中銀行は、政府財政の膨脹によつて撒布せられた國民の所󠄁得增加によつて、增大すべき消󠄁費財貨需要󠄁に應じて擴張せんとする消󠄁費財生產に對して、必要󠄁なる貸出をし得る狀態にあるからである。 | |||
從つて銀行の資󠄁金は統制されなければならないが、この統制の第一の方法は中央銀行のオープン マーケツト オパレーシヨンに他ならない。 | |||
卽ち、オープン マーケツト オパレーシヨンによつて銀行の許與する所󠄁の生產信用は公󠄁債投資󠄁によつて抑制せられるからである。<br> | |||
== 脚注 == | == 脚注 == |