「インフレーシヨンと物價對策」の版間の差分

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而して十四年中も漸次󠄁上昇しつゝ十二月󠄁末には三十六億の膨大なる數字を示し、爾來今日に至るまで三十億圓台水準を持續󠄁してゐるのである。<br>
而して十四年中も漸次󠄁上昇しつゝ十二月󠄁末には三十六億の膨大なる數字を示し、爾來今日に至るまで三十億圓台水準を持續󠄁してゐるのである。<br>
 この日銀券󠄁發行高は勿論全󠄁部が流通󠄁界にあるわけではなく、朝󠄁鮮、台灣銀行の發券󠄁準備となる部分が最近󠄁著󠄁ぢるしく增加してゐる事にもよるのである。
 この日銀券󠄁發行高は勿論全󠄁部が流通󠄁界にあるわけではなく、朝󠄁鮮、台灣銀行の發券󠄁準備となる部分が最近󠄁著󠄁ぢるしく增加してゐる事にもよるのである。
例へば之等發券󠄁銀行の發行準備高は、十一年九月󠄁末には八三、七二一千圓であつたものが十二年同月󠄁末一一八、二八六千圓•十三年同月󠄁末二一九、五三四千圓•十四年同月󠄁末二二八、〇六四千圓•並びに十五年同月󠄁末二九〇、九八七千圓にまで增加してゐるのである。
例へば之等發券󠄁銀行の發行準備高は、十一年九月󠄁末には八三、七二一千圓であつたものが十二年同月󠄁末一一八、二八六千圓・十三年同月󠄁末二一九、五三四千圓・十四年同月󠄁末二二八、〇六四千圓・並びに十五年同月󠄁末二九〇、九八七千圓にまで增加してゐるのである。
卽ち事變前󠄁の十一年九月󠄁末に比すと十五年同月󠄁末には三倍半󠄁弱󠄁の大きに及んでゐるのであるが、之等を差引いて見ても次󠄁の上表に見る如く、其の流通󠄁高は著󠄁しい上昇になつてゐる。
卽ち事變前󠄁の十一年九月󠄁末に比すと十五年同月󠄁末には三倍半󠄁弱󠄁の大きに及んでゐるのであるが、之等を差引いて見ても次󠄁の上表に見る如く、其の流通󠄁高は著󠄁しい上昇になつてゐる。
次󠄁にこの騰󠄁勢を物價側について求めるば{{原文ママ}}ならば、下表の如くである。
次󠄁にこの騰󠄁勢を物價側について求めるば{{原文ママ}}ならば、下表の如くである。
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{| border="1" rules="none" style="margin: 0px 30px 0px 20px;"
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|+'''日銀券󠄁純流通󠄁高'''(單位千圓)
|+'''日銀券󠄁純流通󠄁高'''(單位千圓)
|- style="font-size: 80%;"
| &#x200B;
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|- style="font-size: 80%;"
|- style="font-size: 80%;"
| style="padding: 0px 25px;"|  年月末
| style="padding: 0px 25px;"|  年月末
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| style="padding: 0px 25px;"| 十五、九
| style="padding: 0px 25px;"| 十五、九
| style="padding: 0px 25px;"| 三、三一三、七一四
| style="padding: 0px 25px;"| 三、三一三、七一四
|- style="font-size: 80%;"
| &#x200B;
|
|}
|}
</div>
</div>
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| style="padding: 0px 25px;"|  卸 賣
| style="padding: 0px 25px;"|  卸 賣
| style="padding: 0px 25px;"|  小 賣
| style="padding: 0px 25px;"|   小 賣
|- style="font-size: 80%;"
|- style="font-size: 80%;"
| style="padding: 0px 25px;"| 十一年
| style="padding: 0px 25px;"| 十一年
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( )內は前󠄁年または前󠄁年同月󠄁に對する騰󠄁貴%
( )內は前󠄁年または前󠄁年同月󠄁に對する騰󠄁貴%
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 更󠄁に生計費指數について之を見れば、右の小賣物價の騰󠄁貴は生計費の著󠄁しい騰󠄁貴となつて現はれてゐるのである{{原文ママ|句点なし}}內閣の發表せる生計費指數によれば、本年五月󠄁迄の一ヶ年の騰󠄁貴は、勞働者󠄁二〇・八%給料生活者󠄁一九・三%となつてゐる。
{| border="1" rules="none" style="float: left; margin: 0px 30px 0px 20px;"
|+'''生計費指數''' <span style="font-size: 80%;">內閣統計局、十二年七月󠄁=一〇〇</span>
|- style="font-size: 80%;"
|
| style="padding: 0px 25px;"|  勞働者󠄁
| style="padding: 0px 25px;"| 給料生活者󠄁
|- style="font-size: 80%;"
| style="padding: 0px 25px;"| 十二年
| style="padding: 0px 25px;"| 一〇一、五
| style="padding: 0px 25px;"| 一〇一、四
|- style="font-size: 80%;"
| style="padding: 0px 25px;"| 十三年
| style="padding: 0px 25px;"| 一一〇、〇
| style="padding: 0px 25px;"| 一〇九、五
|- style="font-size: 80%;"
| style="padding: 0px 25px;"| 十四、五
| style="padding: 0px 25px;"| 一一九、五
| style="padding: 0px 25px;"| 一一八、四
|- style="font-size: 80%;"
| style="padding: 0px 25px;"|  〃 九
| style="padding: 0px 25px;"| 一二四、三
| style="padding: 0px 25px;"| 一二二、七
|- style="font-size: 80%;"
| style="padding: 0px 25px;"| 十五、五
| style="padding: 0px 25px;"| 一四四、三
| style="padding: 0px 25px;"| 一四一、二
|}
<br>
 しかしこれ等の指數は必ずしも實情󠄁を正しく反映してゐるものでない事は云ふ迄もない。
例へば公󠄁定價格に準據した個々の品々の騰󠄁貴については實際の動きを完全󠄁に示さないからである、が右表により大體に於ての我が國の事變以來の狀勢を知る事が出來るのであろう{{原文ママ|あらう}}。


== 脚注 ==
== 脚注 ==
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