恒心文庫:貴洋のちんげ

本文

サイバンチョ!
そう呼びかけながら、貴洋はベルトに手をかけ勢いよくズボンを下ろした。
途端、跳ねるようにしてズボンの縁から飛び出すチンチン、その根本に無数に絡まりながら綿のように膨らみを持ってまとまっていた陰毛が弾かれるように断続的に震えだす。
冬場の乾燥で静電気が起きているのだろう、パチン、パチンと音を立てながら広がっていくそれは瞬く間に貴洋の暗部を覆い尽くすと、そのまま足元へと勢いよく這っていく。
そして数瞬の間に両くるぶしの辺りまで広がったそれは、しばらくその表面を蠢めくように波うたせると、不思議なことに、そこにはズボンを脱ぐ前と寸分変わらぬ貴洋の姿があった。なんと自前のちんげでズボンを編んだのである。
貴洋は先ほど脱ぎ捨てたズボンを傍聴席へ放り、ニヒルな笑みを裁判長に向ける。
裁判長はため息ひとつつくと、静かに有罪と口にした。

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