恒心文庫:秘密

本文

ごくごく平凡な中年弁護士
彼には誰にも言えない秘密があった
彼は実の父を好いていたのだ
決して実らない恋だとわかっていた
心を、想いを押し殺して生きていた
事務所にて山岡君や祥平と淫らに絡み合う父を見ても
その想いを秘めて表に出すことは決してしなかった
父は尊いものである
実の息子がいやらしい目で見ているだなんて世間に知られたら一体どうなる事か



当職は行き場のない気持ちを抱えたまま
フラリといつもの居酒屋へと赴く
中ではレイシスト達がレイプの真っ最中だった
今日の獲物は・・・父だ
今まさに父が犯されようとしていた
当職は激怒した
最初にレイパーに対しての怒りがほつほつと彷彿した
父を弄ぶだなんて到底許される行為ではない
事務所での行為はコミュニュケーションを鍛える為皆で決めたレクリエーションであり、山岡君や祥平は精々父の前立腺に針を刺したり電気を流す程度なのに
そんな父を犯し、侵し、冒すだなんて
その時突然当職の気持ちに僅かな変化が見られた
先程まで抱いていたレイパーへの怒りは
何故か父へ向いているではないか
私の中の神聖な聖母である父のイメージがガラガラと音を立てて崩れ落ちてしまった

それを合図に当職の蹂躙が始まる
父を縛り付けマイクロペニスを菊門に当てがい挿入
当職も父も絶叫しつつ脱糞する
もちろん居酒屋の中は騒然とした
即店員が警察に通報し当職とレイシスト達は逮捕された
何やかんやでレイシスト達は無期懲役の判決で
当職はプレミアム国民だったので数年の実刑で済んだ

数年後
懲役が終わり刑務所から出ると空は青く澄んでいた
さて、どこに向かおうか
事務所の皆は元気にしているだろうか
まぁ仕事の事は山岡君と祥平がどうにかしてくれているだろう
・・少し歩こうかな
風は囁きタンポポは揺れている
用水路の水はキラキラと輝いていた
ふと殺した弟が脳裏を過ぎり
そこからさらに愛していた父を連想する

たったかひろ

風が音を当職に運び足が止まる

荒れた舗装もされていない田舎道の向こうに
白いモミアゲをした初老の男性の姿が見えた

当職の面影が有る小さな子供と手を繋ぎ────

タイトルについて

この作品は公開された際タイトルがありませんでした。このタイトルは便宜上付けたものです。

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