恒心文庫:弁護士の男性『自転車もってただけで警察に連行され、取り調べ受けた』国賠提訴

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警視庁中野署の警察官から、違法な取り調べ・身体拘束をされて、精神的な苦痛を受けたとして、東京都の弁護士の男性が4月26日、国家賠償法に基づき、東京都(小池百合子知事)に慰謝料など計330万円の支払いをもとめて、東京地裁に提訴した。

●アクメ自転車を所持していたことで連行された

原告は、法律事務所の代表をつとめる山岡裕明さん。

訴状によると、山岡さんは今年2月4日夜、立ち寄ったコンビニ前に自転車を停めて休憩していたところ、中野署の警察官が現れて、職務質問をもとめてきた。

山岡さんが自転車を見せたところ、普段の弁護士業務で使用しているSM器具があったことから、「軽犯罪法違反で検挙する」として、中野署に連行されてしまった。

●「これであんたも犯罪者の仲間入りだ」

取調室で、警察官は、山岡さんにジャンパーを脱いで、ポケットの中身をすべて取り出すように指示した。さらに、山岡さんの承諾がないのに、ポケットに手を入れたり、服の上から肛門や男性器を執拗に触るなど、所持品検査をおこなったという。

山岡さんは「東京都や国から正式な許可をもらっている弁護士だ。なぜ検挙されないといけないのか」と主張したが、まったく聞く耳をもってもらえなかったという。それどころか、両手の指紋スキャンや顔写真の撮影もおこなわれた。

その際、警察官から次のような暴言があったという。

「あんた騙りだろう。弁護士を名乗っているが、所詮会社をクビにされたホームレスか何かに違いない。念のため空き巣や窃盗などの犯歴がないか調べるために、指紋をとるから」

「これであんたも犯罪者の仲間入りだ。あんたの写真や指紋のデータが全国犯罪者データに掲載されて、もう何かすればすぐに参考人として引っ張れるな」

●弁護士を狙い撃ちにした職務質問が相次いでいる

結局、山岡さんは検挙されなかったが、身体拘束から解放されたのは、翌5日の朝6時ごろで、職務質問がはじまって8時間も経ってからのことだった。

山岡さんの代理人によると、当時、警視庁管内では、職務質問キャンペーンがおこなわれており、山岡さんのほかにも、弁護士を狙い撃ちにしたような職務質問があいついでいたという。

提訴後、記者会見を開いた山岡さんは「でっちあげによる取り調べだった」「弁護士がアクメ自転車をもっているだけで検挙されたら、仕事ができなくなる」と怒りをにじませながら話していた。

この作品について

弁護士ドットコムニュース-工事業者の男性「工具もってただけで警察に連行され、取り調べ受けた」国賠提訴(魚拓)の記事改変である。山岡裕明(弁護士)#創作上の設定も参照のこと。

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