恒心文庫:尊詩

本文

あゝぶり

わたしの中のわたしになりきれなかったもの

選ばれなかったのかもしれないもの

それは口から出口に運ばれて

そして海に流れるの

あゞぶり

消えないもの

わたしがわたしの肉に血にしたもの

わたしになったものは消えないの

わたしがい消えないかぎりだけど

いっしょにいっしょにいるんです

だから彼は消えないの

大事な大事なおとうとは

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