恒心文庫:唐澤洋「さてと…今日も貴洋にFBを更新させるか」

本文

ここは薄暗い虎ノ門サティアンの一室
木の根の様に部屋中に張り巡らされた無数の接続コード
そんな部屋の中央に鎮座するのは不気味な光を放つ巨大な水槽
培養液で満たされたその中に浮かぶ一つの塊
それは他でも無い、唐澤貴洋の脳である

洋は自らのスマホとその水槽をコードで接続薄
薄暗い部屋の中、にたりと吊り上がるアヒル口
脳から発せられる電気信号がスマホを操作し、FBの更新が始まる
父洋は一日のこの瞬間にだけ、息子の生を実感出来るのだ

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