恒心文庫:唐澤家の朝

本文

朝だ 目覚めだ 朝食だ
しかしパンが無かった
パンが無いなら弟を食べれば良いじゃない

当職は弟の部屋に行き寝ている弟の胸にナイフを突き立てた
と、何やらおかしい
弟はこんなに太っていたっけ?

それは洋だった
弟のベッドで寝ていたのは父だったのだ
洋のお腹には夢と脂肪が詰まってる
こんな小さなナイフじゃ痛みも感じないだろう
スヤスヤと可愛い寝顔で熟睡している

あれ、兄さん
振り向くと弟が居た僕の前に居た
父さんったら寝ぼけて僕の部屋で寝ちゃったみたいなんだよ
食パン無かったよね?コンビニで買ってきたから朝ごはんにしようか
まったく良くできた弟だ
この有能な青年は今後無能な当職の存在を脅かす事だろう
やはり今ここで始末しなければない
当職はナイフを握りしめ そして──────
たったかひろ
目を覚ました洋がネグリジェ姿でキンタマをグイッと持ち上げる
そこには桃源郷が広がっていた

ワシに全てをぶつけなさい
怒りを 妬みを 憎しみを─────

膨張するマイクロペニス
ヒクつく父の女性器
部屋の空気がピンク色に変わる
ならば
ぶち込まねばならない

・・・

台所で厚史は朝食の支度をしている
自分の部屋では父と兄が激しく愛し合っている事だろう
学校から帰ったら 掃除しておかなきゃ
うん、今日も唐澤家の朝ってカンジだね
盛り会う二人の性交の音を聞きながら厚史は先に朝食を食べ始めた
なんてことはない
これが唐澤家の日常なのだから

挿絵

タイトルについて

この作品は公開された際タイトルがありませんでした。このタイトルは便宜上付けたものです。

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